外製化と内製化とは?それぞれのメリットとデメリットを解説
適切な事業経営で大切なことは、外製化と内製化のどちらの体制を選ぶのかしっかりと検討することです。
業務を外部へ委託することで得られるメリットは多くありますが、管理面の課題もあります。
本記事では、外製化と内製化の両方についてメリットとデメリット、判断基準についてご紹介します。
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外製化と内製化の意味
まずは外製化と内製化の意味について、しっかりと理解しましょう。
外製化とは
外製化とは、「外部の組織や個人に業務を委託すること」です。アウトソーシングや外注と同じ分類で、外部組織に業務を委託することで社内のリソースを使うことなく業務を処理できます。
内製化と比較すると手間や工数がかからないので、業績に関する重要な業務に集中することができるでしょう。
内製化とは
内製化とは、「自社の業務を外部に委託せず自社のみで業務を行うこと」です。自社で行える作業を外部に委託している場合、その分コストが無駄になっていることも考えられます。
製品以外にも事務作業などを外部委託から自社内での作業に変更することも、内製化が該当します。内製化することでコストが抑えられる可能性もあるでしょう。
外製化のメリット
外製化のメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- コストを削減できる
- プロのスキルやノウハウを自社で活用できる
- 属人化を防げる
- コア業務に集中して取り組める
外製化のメリットは、単なる人手不足の解消やコスト削減にとどまることはありません。戦略を練って活用することで、生産性の向上や顧客満足度の向上にもつながり、売上がアップが期待できます。
メリット① コストを削減できる
1つ目のメリットは、会社を経営するうえで掛かるコストを削減できることです。
固定費に含まれる人件費を変動費にできるのはもちろんのこと、業務効率化を図れるので、無駄な作業も削減できます。自社の従業員で業務を回す場合、売上高にかかわらず人件費は必ず発生します。
人件費を含む固定費が多ければ多いほど、売上高が良くないときに会社の経営を圧迫し、赤字になるリスクが高まるでしょう。
しかし、業務を外製化することで、人件費を外注費として変動費にすることができます。必要な業務の量に対して、本当に必要なときだけ委託できるため、自社で従業員を雇うよりもコストを削減することが可能です。
業務を外製化する際は、自社の現状や行うべき業務を明確にし、課題を抽出するところから始まります。業務を外製化することで、必要のない業務を削減できるきっかけにもなるでしょう。
メリット② プロのスキルやノウハウを自社で活用できる
2つ目のメリットは、プロのスキルやノウハウを自社で活用し、蓄積できることです。
外製化する依頼先は、専門的なノウハウは最新の知識や情報を持っているため、自社で業務を行うよりも、業務のスピードや正確さが高まります。
また、依頼先のスタッフにも専門知識や数多くの経験を持つ人材が存在します。プロのスキルやノウハウを活用することで、高品質な効果が期待できるため、顧客満足度が向上し、利益の拡大へとつながるでしょう。
メリット③ 属人化を防げる
3つ目のメリットは、属人化の防止につなげられることです。
属人化とは、自社での業務の進め方や業務内容が他の従業員に共有されていない状況のことをいいます。これが慢性化してしまうと、スキルの必要な業務は特定の人材しか対応できないという問題が発生します。
このように属人化した業務は、担当している従業員にしか詳しい業務内容がわかりません。そのため、担当している従業員が休んだり、退職したときに業務が停滞したり、ミスなどが多発するリスクが考えられます。
業務を外製化することで、業務内容やフローが整理・可視化されます。スキルが必要な業務も分散されるので、属人化を防ぐことができます。外製化によって、健全な企業の保持に期待できるでしょう。
メリット④ コア業務に集中して取り組める
4つ目のメリットは、コア業務に集中して取り組むことができます。
コア業務とは、利益を生み出すための直接的な業務のことで、専門的判断が必要となる業務のことをいいます。
ノンコア業務とは、コア業務を支援するための業務のことで、その業務だけでは利益が発生しない高度な判断が必要ない業務のことをいいます。
ノンコア業務を外製化することで、自社の従業員の負担が軽減し、重要なコア業務に専念できるようになります。企業の競争率を高めるためには、独自のノウハウやスキル、品質の向上などを高め、他社には真似できないような能力を持つことが重要です。
そのためには、自社の商材やサービスの開発、戦略策定などに注力し、コストを割く必要があります。ノンコア業務を外製化することで、人手や時間を付加価値の高いコア業務に集中させることができるので、自社の競争率強化にもつながるでしょう。
外製化のデメリット
外製化のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 自社にノウハウが残らない
- 情報が外部にもれるリスクがある
デメリットをうまくカバーすることで、メリットの効果を大きく感じられます。自社に合った方法で対応しましょう。
デメリット① 自社にノウハウが残らない
1つ目のデメリットは、自社にノウハウが残らないことです。
業務を外製化することで、自社の従業員はその業務に携わらないため、自社にノウハウを蓄積させることはできません。今後、内製化を検討する場合は、トラブルが起こった際にも対応できるよう、外製化している業務の内容を自社でしっかりと把握しておくことが重要です。
委託先とも円滑なコミュニケーションを図り、業務の進捗やノウハウを共有しましょう。
デメリット② 情報が外部にもれるリスクがある
2つ目のデメリットは、情報が外部にもれるリスクが考えられることです。
外製化する業務によっては、企業機密や個人情報などを共有する場合もあります。それに伴い、情報が外部にもれるリスクは高まるでしょう。
業務を外製化する際は、委託する企業のセキュリティレベルを事前に確認しておきましょう。個人情報の取り扱いに関して、適切だと判断された企業に与えられるマークや、実績の豊富さも1つの判断基準になります。
内製化のメリット
内製化のメリットとして、以下の2つが挙げられます。
メリット① スキルや経験を自社に蓄積できる
1つ目のメリットは、スキルや経験を自社に蓄積できることです。
業務を内製化すると、人材の教育したり専門的人材を獲得したりするなどして、業務に必要な知識やスキルを自社に蓄積することになります。
経験を重ねるにつれて内部に蓄積されていくので、学習効果を期待できるでしょう。特に内製化する内容が事業の競争の源泉に近いものほど有効といえます。
メリット② 管理がしやすくなる
2つ目のメリットは、管理がしやすくなることです。
外部に委託する場合に比べて、品質や業務の管理がしやすくなるということもメリットといえるでしょう。
アウトソーシングでは外部に委託するので、一般的には業務方法や人材教育などを全て依頼することになります。
しかし、内製化では業務体制を自社に置くため、品質管理や業務改善の取り組みを実行しやすくなるのです。
内製化のデメリット
内製化のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
デメリット① リソースの確保が必要
1つ目のデメリットは、リソースの確保が必要なことです。
内製化するためには、そのための人材や設備といったあらゆるリソースを確保しなければなりません。専門性の高い人材を採用するのは時間や労力がかかり、生産設備を準備するのは技術面や費用面でも簡単とはいえないでしょう。
デメリット② コストが掛かってしまう
2つ目のデメリットは、コストが掛かってしまうことです。
人材や設備、システムなどの導入は全て自前になり、運用するためのコストも発生します。外製化する場合は必要なときにだけ費用を支払い、不要なときには費用はかかりません。
内製化することで、固定費として費用がかかることになるのです。
外製化か内製化の判断基準
外製化か内製化の判断基準として、以下の3つが挙げられます。
- コスト
- リソース
- 業務内容の優先度
外製化か内製化かどうかを判断するためには、自社の業務を明確にして、しっかりと見直すことが重要です。
コスト
判断する基準1つ目は、コストとのバランスを取ることです。
内製化すると、品質向上や自社の競争率を強化するといったさまざまなメリットがあります。その一方で、人材確保や教育、設備投資など数多くのコストがかかってしまいます。
「内製化はコストが掛かるから悪い」「内製化は自社の力をアップさせるから良い」と単純に決めるのではなく、コストと効果を比較してから検討しましょう。
リソース
2つ目は、リソースを確保できるかどうか検討することも大切です。
内製化した方が良いことが明確になっている場合でも、それらを実際に内製化できるとは限りません。中には多額な設備投資が必要なケースや、内製化に時間がかかりすぎるケースなど、さまざまな制約が存在します。
内製化を検討する際は、「リソースは確実に確保できるのかどうか」を自社の経済状況を確認し、比較しながら分析する必要があります。
業務内容の優先度
3つ目は、業務内容の優先度を確認することです。
ビジネスは「自社での業務」と「他社からの協力」という2つの要素で成り立っています。内製化するのは、それが事業にとって自社で行うのにふさわしい部分である場合に効果を発揮しやすくなります。
そのため、内製化するかどうか迷っている要素があれば、事業にとってどのくらいの優先順位なのかを検討してみると良いでしょう。
外製化と内製化のまとめ
外製化と内製化には、それぞれメリットとデメリットがあります。
どちらかが絶対に正しいというわけではありませんが、現在の運用方法に悩んでいるのであれば、ぜひ当社のサービスを検討してみてはいかがでしょう。