Web制作会社のSALが社員の残業を減らせた実例とそれによる変化
SALは昔、残業が非常に多い会社でした。
今だから話せることですが、徹夜明けの社員が会社から出る時に階段から転げ落ちて倒れてしまうという辛いことも起こりました。
会社として当然このような問題は解決しなければなりませんでした。
この記事では、Web制作会社のSALがどのようにして残業をほぼゼロにし、それによってどのような変化をもたらし、コロナ禍を乗り切ることができたかをご紹介します。
社員の残業や生産性にお悩みの方へ
残業をほぼゼロにできた新しい経営体制づくりがわかる資料
人手不足に悩む中小企業が「在宅チーム」を活用することで
優秀な社員を確保し、利益率の高い組織をつくる方法のヒントが得られます。
社員の残業を減らすために導入したこと
Web制作会社として残業の多かったSALはこの状況を打破するために業務効率の改善を行わなくてはと思いました。
そこで「ITツールを入れて生産性を見える化」することに着手しました。
具体的にはSalesforceを導入し、TeamSpiritを活用して生産性の見える化を目指しました。
しかし、ツールを導入したものの、SALにはそのシステムを使いこなせる社員がおらず、ツールへの入力を習慣化することができませんでした。
このツールを使いこなせなかった結果、2年間で1,500万円も無駄にしてしまいました。
そこで、組織に取り入れ始めた在宅ママさんの中に、このツールに詳しいIT専任担当となれる人材がいるかどうかをダメもとで探し始めることにしました。
驚くことに、その人材はすぐに見つかりました。
在宅ママさんの中には驚くほど高いスキルを持った方がたくさんいらっしゃいます。
IT専任担当の導入により状況が一気に改善されていきました。
生産性の見える化とその習慣化に成功
在宅ママさんの導入により、時給1,500円でIT専任担当者を確保することに成功した当社。
ツール活用において疑問点が出た際に即時解決できるようになったことで、生産性の見える化+見える化の習慣化ができるようになりました
営業とWeb制作の2チームにおいて生産性を視覚的に管理できるようになったことで、今までどこに時間がかかっていたのか、失敗するポイントはどこかを見つけることができ、業務改善が進んでいきました。
ITツールの専任担当を正社員で置くことは中小企業にとって負担となることです。
しかし、スキルをもつママさんの活用により、また一つSALはこれまでの体制に革新を起こすことに成功しました。
しかし、社内の仕組みがどんどん変わっていくことについてこれない社員がいたのも事実です。
実際、SALでも離職が重なった時期がありました。
変化を嫌う社員による離職
ITツールの導入により生産性の見える化を推進してきたSALですが、昔からいた社員は変化を嫌い、なかなか習慣化が進みませんでした。
また、同時期に新マネージャーを採用して、
- 残業しない
- ツールの入力により生産性向上を習慣化
- 評価制度の明確化
上記を徹底して行いました。
その結果、多くの社員が離職することになってしまいました。
しかし、そんな状況に耐えながらも、生産性の向上に対する取り組みは諦めずに行ってきました。
残業をほぼゼロにし、コロナ禍でも人件費を抑えて経営成功
生産性向上を徹底してきた結果、1年も経つと残業はほぼなくなりました。
しかし、このタイミングでコロナが到来します。
当社の売上も2〜3割下がりましたが、少数の正社員と多くの在宅ワーカーで組織を構築してきたため、人件費を最低限に抑えることができ、コロナ禍でも生き残ってくることができました。
この経験があったからこそ、「固定費(正社員)を増やすのではなく、変動費(在宅ワーカー)で組織を構築することが【不確実な時代】で生き抜くためには必要なことである」と実感しました。
また、効率化を推し進めてきたからこそ、社員には生産性を重視した人材が多く集まりました。
他にも在宅ワーカーの活用によってコロナ禍以前からリモートで仕事を依頼する体制ができていたことも、コロナ禍を乗り切ることができた大きな要因であると考えています。
会社の方針を変えると人が辞めてしまうのは必然です。
しかし「変化は良いことである」と当社は考えています。
変わっていくからこそ、時代の流れに対応できる強靭な組織を構築することができるのです。
ここまでの取り組みで社内の体制は大きく変わってきましたが、経営者である社長の業務はまだ逼迫した状態でした。
次回の記事では、Web制作会社のSALがWeb制作チームの残業を減らし社員の生産性を上げるために、在宅ワーカーをどのように活用したかの実例についてお話したいと思います。