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人手不足

人手不足倒産とは?

SAL編集部
SAL編集部
人手不足倒産とは?

年々深刻化する人手不足問題。この人手不足が原因で倒産してしまう企業があることをご存じですか?
黒字であるにも関わらず倒産してしまう、あるいは倒産まではいかなくとも、人手が足りず休業せざるを得ないような状況に追い込まれる前に、人手不足倒産に陥る原因や兆候を知っておくことで、自社の倒産リスクを回避しやすくなるはずです。
それでは、どのようなことが原因で人手不足倒産に陥ってしまうのでしょうか。
この記事では「人手不足倒産とは何か?」、「前兆はあるのか」を知りたい経営者に向けて、人手不足倒産の内部的・外部的要因の説明、アフターコロナ期に再来する人手不足問題や、人手不足により経営が傾いているサインを解説していきます。

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人手不足倒産とは

倒産の看板

「後継者がいない」、「新たな人材を採用できない」といったことが原因で労働力が不足し、営業ができず倒産してしまうことを「人手不足倒産」と言います。
「倒産」に明確な定義はありませんが、一般的に会社の経済が破綻し弁済期に債務の返済ができず、経営が立ち行かなくなった状態を「倒産」と呼んでいます。
東京商工リサーチの調査による2020年度上半期の人手不足倒産数を見てみると、産業別での倒産では介護関連業種や飲食業を含むサービス業が50件(前年同期比26.4%減)と最多であり、次いで、建設業の42件(同23.5%増)、卸売業の31件(同55.0%増)、製造業(同16.6%増)と小売業(同40.0%増)が各28件、運輸業11件(同42.1%減)という結果でした。これら上位の産業は離職率も深刻であり、厚労省が行った2021年上半期の雇用動向調査によると、離職者数は「宿泊業,飲食サービス業」で77万人、「医療,福祉」が67万人、「卸売業,小売業」が65万人にも上っており、大量の離職者を止められないことが、事業の継続を困難にしていることがわかりますね。

東京商工リサーチ 2020年度上半期の人手不足倒産数

厚労省 2021年上半期の雇用動向調査

人手不足倒産は近年減少傾向

帝国データバンクの集計結果によると、人手不足倒産の発生件数は2021年には104件となり、過去最多だった2019年の185件から二年連続で減少し、四年ぶりの低水準となりました。これに対し帝国データバンクは、2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの企業で業務量が減少し、一時的に人手不足感が落ち着いていたことで人手不足倒産も大幅に減少したとの見解を示しています。
ただし、業種別に見た場合に建設業に至っては例外で、コロナ禍の初期のみ飲食店・商業施設の改装や新規出店の見送りで内装施工などの受注が減ったものの、毎年のように降りかかる災害復旧工事や国土強靭化など、土木建築の需要が減ることはありませんでした。そのような中、ベテラン職人など、スキルのある技術者の離職などもあり、約半数の業者が人手不足問題を抱えています。

人手不足倒産の原因となる内部要因

人材不足

一口に人手不足倒産と言っても、その原因はさまざまで、内部要因だけで以下の4つに分けられます。

  • 後継者難
  • 従業員の退職
  • 求人難
  • 人件費の高騰

ここからは、東京商工リサーチの2020年度上半期(4-9月)「人手不足」関連倒産のデータを基に、倒産するほどの人手不足に陥るこれら4つの内部的な要因を解説していきます。

東京商工リサーチ 2020年度上半期(4-9月)「人手不足」関連倒産

後継者難

経営者が死亡、または病気やケガで引退せざるを得ない状況でも後継者が見つからず、やむを得ず倒産となることです。コロナ禍で人手不足倒産の減少が見られる中、唯一増加を続けているのがこの「後継者難型人手不足倒産」で、2020年度上半期だけで173件と前年同月から40パーセント近く増加しており、人手不足倒産全体の8割を占めています。特に中小・零細企業では後継者を確保することが難しく、また、経営不振の状態では後継の育成に手を回すことができず、経営者が高齢の企業において事業の継承という問題が重くのしかかっています。

従業員の退職

「従業員退職型人手不足倒産」とも呼びますが、文字通り、定年や転職、独立などの理由から中核となる社員が流出してしまうことが原因で起こる倒産です。コロナ禍で人材の流出は一時緩和され、2020年の上半期では20件と前年同月比マイナス約28パーセントでした。
しかし、今や終身雇用の時代は終わりを迎え、優秀な人材はより好条件の会社への転職や独立を考えることが当たり前になりました。限られたスタッフに頼りきりになっている会社は、早急に対策を講じなければ危険かもしれません。

求人難

求人難による人手不足倒産も、コロナ禍以降は一時落ち着きを見せていました。
思うように採用ができないなど、新たな人材を補充できない状態が続くことで起こる倒産を「求人難型人手不足倒産」と言いますが、たとえ受注や集客が十分であったとしても、その業務をこなせる人員が確保できなければ、事業を継続することは難しいですよね。特にサービス業では離職者数も多く、新たな人材の確保も難しいという苦しい状況が続いています。

人件費の高騰

給与などの人件費がかかり過ぎ、収益が落ち込んでしまうことで起こる倒産です。
この「人件費高騰型人手不足倒産」も、コロナ禍以降に拡大したテレワークや、移動制限のため、通勤交通費や出張費が大幅に削減された企業が多く、2020年上半期では人件費の高騰に起因する人手不足倒産は7件と、前年同月の半分となっていました。
しかし、最低賃金の引き上げや、人材の流出を防ぐために優秀な社員の給与を上げる必要があるなど、賃金相場が高騰していることから、新規の採用に二の足を踏んでしまうケースもあるようです。

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人手不足倒産の原因となる外部要因

老人とグラフ

ここからは、人手不足倒産に陥ってしまう3つの外部要因を説明していきます。

  • 生産年齢人口の減少
  • 求職者の大手志向の増加
  • コロナ禍の影響

生産年齢人口の減少

国内の生産活動の中核は15歳から64歳で、この人口を「生産年齢人口」と言います。
加速する少子高齢化に伴い、日本の生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに減少を続け、2020年には7,406万人となり、さらに2040年には5,978万人にまで減少することが推計されています。このように今後も労働人口の減少は避けられず、採用競争はますます激しくなっていく見込みです。

求職者の大手志向の増加

日本の求人市場は、求人数よりも求職者が少ない売り市場であるため、元々根強かった求職者の大手志向が更に増加傾向にあります。大手企業も中小企業も零細企業も関係なく人手不足であるため、そのような中で、中小企業や小規模の事業所がブランド力や資金力で大手企業に敵うわけもなく、求める人材を獲得することがより困難になっている状況です。

コロナ禍の影響

日本の企業全体では新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や業務縮小で、人手不足感は落ち着いているかのように見えますが、全ての業種がそうではありません。
また、コロナの感染拡大の影響で逼迫している医療現場の人手不足は特に深刻であり、自治労が2022年3月に発表した医療従事者を対象としたアンケートでは、約7割もの人が離職を考えたことがあるとのことでした。離職を考える理由として「業務が多忙」と答えた人が最も多く、人員不足による過酷な労働環境が、一層の人手不足を招くという悪循環に陥っています。
他にも、製造業や縫製業などで外国人技能実習生の労働力を頼りにしていた事業所では、入国制限で実習生の受け入れができなくなったため、受注量を減らさざるを得ないなど、人手不足によるダメージは深刻なものでした。

2022年は人手不足問題が再来

グラフと男女

コロナ禍で4年ぶりの低水準を記録した「人手不足倒産」ですが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除を受け、新しい生活様式の定着とともに景況感が回復してきており、再び人手不足問題が浮上してきました。
帝国データバンクのリサーチによると、2019年に50.3パーセントに達し2020年には31パーセントにまで大きく下落した正社員の人手不足割合が、2022年4月で既に45.9パーセントとコロナ禍以前の高水準に迫る勢いで上昇していました。
アフターコロナ期に突入し、経済活動の回復を懸念材料として今後も人手不足感は更に上昇する見込みとなっており、人手不足に起因する倒産数も増加するでしょう。

人手不足倒産の前兆

倒産

人手不足による倒産を未然に防ぐためには、その兆候を知っておきたいですよね。ここでは以下の2点に絞って説明していきます。

  • 経理の離職
  • 給与の未払い・支払い遅延

経理の離職

経理担当者は、会社のお金の流れを全て把握しています。つまり、経営状態の良し悪しにいち早く気付くことができるため、経理担当者、または経営戦略に携わる幹部社員が立て続けに退職してしまう時は、経営が傾いているということが考えられます。

給与の未払い・支払い遅延

非常に分かりやすいピンチですが、ただでさえ人手が足りない状況で、既存の従業員への給与まで払えないとなると、もう破綻寸前です。ここから立て直すことはかなり難しく、少なくとも自社のリソースだけで解決できるものではありませんから、できるだけ早く専門家に相談する必要があります。

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人手不足倒産にならないためには育成と採用強化が必須

新人研修

会社が倒産すると、残っている従業員は必然的に解雇となります。倒産は従業員とその家族の人生にも暗い影を落としかねないということです。人手不足が常態化し、倒産という結末を迎えてしまう前に、早めの対策を講じなくてはなりません。
慢性的な人手不足解消のために、採用に関しては、まずしっかりとした採用計画を立てること。欲しい人材の人物像を明確にして、的確な採用活動を行いましょう。
また、離職を防ぐためには既存社員の育成や福利厚生にも力を入れ、定着率を上げる努力をすること。そして、問題を先送りにせず、少しでも経営に不安を感じることがあればなるべく早めに然るべき専門家に相談するということが肝要です。

この記事を書いた人

SAL編集部
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株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。