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人事・組織作り

従業員エンゲージメントとは?定義や効果、調査方法、高める方法、取り組み事例を解説

SAL編集部
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従業員エンゲージメントとは?定義や効果、調査方法、高める方法、取り組み事例を解説

従業員エンゲージメントとは、従業員が企業に対して自発的に貢献する意欲がある状態のことです。意欲がある状態にするためには、企業理念やビジョンに共感してもらう必要があります。

今回の記事では、従業員エンゲージメントの定義や効果、調査方法、高める方法などを詳しく解説していきます。最後に事例も紹介するので、自社が取り組む時の参考にしてください。

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従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、従業員の企業への信頼や意欲を意味しており、自発的に貢献意欲を持っている状態を指します。混同されやすい言葉に、「従業員満足度」と「モチベーション」があります。下記では、それぞれの違いを詳しく解説します。

従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い

従業員エンゲージメントは「信頼」に着目しているのに対して、従業員満足度は従業員の「居心地の良さ」に着目しています。また、従業員満足度が必ずしも企業の業績に結びつくわけではありません。

なぜなら、「居心地が良い=貢献したい」とはならないためです。従業員満足度を高めることは人材の定着率の観点から重要であると言えますが、居心地の良さだけを追求しても生産性向上や従業員の貢献意欲には繋がりません。

従業員エンゲージメントとモチベーションの違い

モチベーションは「やる気」といった意味合いで用いられることが多いです。。ビジネスにおいては、業務への意欲を指します。しかし、モチベーションが高い従業員はやる気に満ち溢れていますが、必ずしも全員が企業に貢献したいと思っているわけではありません。

従業員エンゲージメントの定義

従業員エンゲージメントとは、前述したように従業員が企業の理念やビジョンに共感し、自発的に貢献意欲がある状態のことを指します。下記では、「従業員エンゲージメントが高い状態」と「従業員エンゲージメントが低い状態」を具体的に解説します。

従業員エンゲージメントが高い状態とは

従業員エンゲージメントが高い状態とは、企業のビジョンや方向性と従業員が貢献していきたい方向性が合っている状態のことです。

従業員エンゲージメントが低い状態とは

従業員エンゲージメントが低い状態とは、企業の理念やビジョンに共感できず、自発的な貢献意欲がない状態のことです。エンゲージメントは主に「理解度」「共感度」「行動意欲」の3つで構成されています。

一つ目の理解度とは、企業の理念やビジョンへの理解です。従業員が持つ理想と企業が実現したい理想がマッチしているかが重要となります。二つ目の共感度は企業の理念やビジョンにどれだけ共感しているのかを表します。

企業の理念やビジョンに共感できれば、自分自身の存在意義も見出せるはずです。三つ目の行動意欲とは、企業が成功するために自発的に行動しようとする意欲を指します。企業の理念やビジョンを理解し、共感しているからこそ湧き出てくる意欲です。

つまり、従業員エンゲージメントが低い状態とは、この3つがない状態を指します。

従業員エンゲージメント向上で得られる効果

従業員エンゲージメントが向上することで、企業側は様々な効果を得られます。下記では、それぞれの効果を詳しく解説します。

離職率の低下

エンゲージメントの高い従業員は、離職率が低い傾向にあります。自分が会社に貢献できることに対して喜びを感じられるようになるため、その企業を離れたいと考える従業員が少なくなるのは当然のことです。

顧客満足度の向上

従業員エンゲージメントが高まると、顧客満足度の向上にも繋がります。企業の業績がアップする直接的な理由は、意欲的な従業員によって自社が扱うサービスや製品を提供できるからです。

また、エンゲージメントが高い従業員はネガティブな感情が生まれにくいため、レベルの高い顧客対応が長期的に可能となります。

職場の活性化

エンゲージメントの高い従業員は業務に対して前向きな姿勢であるため、職場の雰囲気が明るくなります。それぞれ自分の仕事に誇りを持ち、業務を自発的に取り組むようになると、社内のコミュニケーションも活発に行われるようになるからです。

エンゲージメントの高い従業員が増えれば増えるほど、社内一丸となって目標達成に向かうようになるため、自然と一体感も生まれるでしょう。

業績の向上

従業員エンゲージメントの向上は業績の向上に直結するといっても過言ではありません。

「従業員エンゲージメントが高まる→モチベーションが上がる→自発的に業務に取り組むようになる→顧客満足度が高まる→業績が向上する→さらに従業員のモチベーションが上がる」というようなwin-winのサイクルが回るようになります。

日本における従業員エンゲージメントの特徴

日本の企業における従業員エンゲージメントは一般的に低めです。日本人の場合、自発的な貢献意欲は高いですが、勤勉な国民性ゆえに、目の前の仕事に追われてしまう傾向があります。

また、日本の企業では終わらなかった仕事は残業や休日出勤で片付けるという方法が根付いており、ワークライフバランスも取りづらいです。このような要素が、従業員エンゲージメントを下げている要因と考えられます。

従業員エンゲージメントの調査方法

従業員エンゲージメントの調査方法は、「自社で調査する方法」と「専門会社に委託して調査する方法」の2つです。下記では、それぞれの方法を解説します。

従業員エンゲージメントの指標

従業員エンゲージメントを測る指標として、「エンゲージメント・サーベイ」というものがあります。これは、アメリカのギャラップ社が実施しているものです。「エンゲージメントを測定するための12の質問項目」は下記の通りです。

  1. 職場で自分が何を期待されているのかを知っている
  2. 仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
  3. 職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
  4. この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
  5. 上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
  6. 職場の誰かが自分の成長を促してくれる
  7. 職場で自分の意見が尊重されているようだ
  8. 企業の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
  9. 職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
  10. 職場に親友がいる
  11. この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
  12. この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

12個の質問で測定できる内容は下記の通りです。

  • 仕事をするための動悸や環境が整っているかどうか(Q1〜2)
  • 仕事に貢献しているか、どんな貢献をしているか(Q3〜6)
  • この職場で働く目的とチームの一員はどうか(Q7〜10)
  • この職場で働くことに伴う自身の成長性(Q11〜12)

上記の質問に対して回答の選択肢は5段階あります。

  • 完全に当てはまる(5点)
  • やや当てはまる(4点)
  • どちらともいえない(3点)
  • やや当てはまらない(2点)
  • 完全に当てはまる(1点)

自社で調査する方法

自社で従業員エンゲージメントを調査する場合は、上記の指標を活用するかあるいは独自の質問を用意する必要があります。ただし、独自の質問を用意するケースでは、どのような設問が適切なのか調査することが大切です。


専門会社に委託して調査する方法

専門会社に委託して調査する場合は、業者側が設問シートの用意から集計まで担ってくれるため、基本的に企業でするべきことはありません。従業員エンゲージメントをしっかり測定したい場合や短時間で測定したい場合は、専門会社に委託する方がおすすめです。

従業員エンゲージメントを高める方法

従業員エンゲージメントが高まると、従業員と企業の双方にとって様々なメリットがあります。下記では、従業員エンゲージメントを高める方法を6つ解説します。

企業理念やビジョンを従業員に浸透させる

従業員エンゲージメントを高めるためには、企業理念やビジョンを浸透させる必要があります。これらを浸透させることで、従業員も企業と同じ方向を向いて業務を遂行できるようになります。向かうべき方向が明確になると、業務に対してモチベーションを保つことが可能です。

人事評価制度を見直す

人事評価を見直すことも、従業員エンゲージメントを高めるのに効果的な方法です。従業員の頑張りや成果をしっかり認めることで、従業員は自分の努力がきちんと上司に伝わっていることを実感できます。


人事評価には様々な方法がありますが、360度評価と目標管理制度(MBO)が特におすすめです。前者は、一人の従業員に対し、業務で関わっている上司や同僚、部下がそれぞれ評価を行います。後者は、対象期間の初めに目標を設定し、その目標がどれだけ達成できたか相対評価を行います。

社内コミュニケーションを活性化させる

従業員エンゲージメントを高めるためには、社内コミュニケーションを活性化させましょう。社内の人間関係がうまく構築できなければ、エンゲージメントを高めるのは難しいです。具体的には、1on1ミーティングを行ったり、社内SNSを導入したりする方法がおすすめです。

ワークライフバランスを整える

ワークバランスを整えることも、従業員エンゲージメントを高める効果的な方法です。そもそも従業員の心身の状態が良くなければ、会社に貢献することはできません。企業の戦力として働いてもらうためにも、ワークライフバランスを整える必要があります。

具体的には、テレワークやフレックスタイム制の導入がおすすめです。家庭の時間を大切にできる制度やストレスケアに繋がる制度を充実させましょう。

従業員のキャリア形成支援を行う

従業員が自らの成長を感じられると、貢献意欲は高まります。そのため、従業員の成長を支援できるようなキャリア形成支援を行うことも、従業員エンゲージメントを高めるのに効果的です。

福利厚生の充実

エンゲージメントの高い従業員であっても心身の健康を損ねると、パフォーマンスが低下してしまいます。そのため、心身をリフレッシュさせる効果も含めて、価値を見出せるような福利厚生を充実させることも重要です。

従業員エンゲージメントを高めるための取り組み事例

下記では、従業員エンゲージメントを高めるのに成功した事例を3つ紹介します。

  • メルカリ

メルカリのHRは、「メルチップ」という形で、リアルタイムにスタッフ間で感謝や賞賛をし合い、インセンティブとして一定額の成果給を贈り合える制度を導入しています。感謝の気持ちを伝え合うことで、結果的に従業員エンゲージメントが高まりました。

  • GREE

GREEではMBOに加えて1on1を導入し定期的な振り返りを行うことで、上司と部下の信頼関係を構築しています。実施後、社員全体の約7割がこの制度に満足していると回答しており、現在では現場マネージャー向けの1on1研修も実施されています。

  • Ubie

Ubieでは、従業員により自分らしく働いてほしいという企業理念のもと、完全フレックスタイム制を導入しています。好きな時間帯に出勤できるようになったため、結果的に従業員エンゲージメントが高まりました。

従業員エンゲージメントが業績向上に繋がる

今回は、従業員エンゲージメントの定義やメリット、高める方法などを詳しく解説しました。従業員エンゲージメントは定着率や業績の向上に繋がるため、非常に重要な部分です。企業だけでなく、従業員にもやりがいを感じられるなどのメリットがあります。

しかし、従業員エンゲージメントを高めるのは簡単なことではありません。株式会社SALでは、正社員を採用せず利益率を高める新たな経営体制を構築するサービスを提供しています。

在宅チームの構築が可能となるため、従業員エンゲージメントを高めるために新たな働き方の導入を検討している方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

SAL編集部
SAL編集部 SAL henshubu

株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。