仕事の細分化とは?メリットややり方、注意点を分かりやすく紹介
作業効率やパフォーマンス向上のためには、「仕事の細分化」を行うことが有効です。
ビジネスシーンでよく耳にする機会も多い「仕事の細分化」ですが、どのような業務内容であっても、プロセスを細かく分けて、手順をしっかりと把握することはとても大事です
本記事では、仕事の効率化がもたらすメリットや細分化のステップ、注意点などをまとめましたので、ぜひ業務効率化の参考にしてみてください。
この記事をご覧の方にオススメの資料のご案内
優秀な社員が辞めない会社づくりの方法がわかる資料
人手不足に悩む中小企業が「在宅チーム」を活用することで
優秀な社員を確保し、利益率の高い組織をつくる方法のヒントが得られます。
仕事の細分化とは?
「細分化」とは、読んで字のごとく「細かく分ける」ことです。
例えば、「営業業務」は「アプローチ」、「商談」、「クローズ」に分けられます。
さらに、ここから、「アプローチ」を「アプローチ先を探す」、「テレアポをする」、「アポイントを取る」に分け、「商談」を「プレゼン資料を作る」、「移動する」、「商談する」といったように、大きくひとくくりにされている仕事を、プロセスごとに分割することができます。
このように、細かくしていくことで、ひとつひとつのプロセスが意味を持つようになり、仕事の効率を上げることが可能です。反対に無駄で不必要なタスクをあぶり出すこともできるようになるため、業務に取り掛かる前には必ず「仕事の細分化」を行いましょう。
仕事を細分化するメリット
仕事の細分化にはメリットしかありませんが、具体的にどのような利点があるのか、以下の3点を詳しく解説していきます。
- 作業量が見える化される
- モチベーション維持につながる
- 分業化することができる
作業が見える化される
組織で動く場合に、とても重要視されることが「業務の可視化」です。
各人の業務量や進捗を把握しているのが、リーダーだけという状態は問題です。仕事を細分化することにより、細分化するまでの大枠の状態からでは見えてこなかった部分が「見える化」され、必要な業務や作業量が明確になるため、業務に取り掛かりやすくなります。
モチベーション維持につながる
仕事のゴールが見えないと、いつまでたっても業務が終わらないと感じ、社員が疲弊してしまう可能性があります。長期間にわたるプロジェクトであれば特に顕著です。
そこで、業務を細かく分割することで、最終的なゴールはもちろんですが、業務の途中で一区切りできるような小さなゴール地点を設けておくことで、毎日「キリの良いところまで終わらせることができた」という小さな達成感が得られるようになります。結果的に、社員のモチベーションを下げることなくプロジェクトを進行させることが可能です。
分業化することができる
あらかじめタスクを細分化しておけば、仕事の分業が可能になり、業務の難易度や重要度・緊急度に合わせて適材適所に人員を配置できるようになります。
自分だけではできない仕事は、同僚や部下の力を借りるかと思いますが、さらに他部署の人に手伝って欲しい仕事があるからといって、直前になって声をかけても協力してもらうことはなかなか難しいです。ですが、最初に業務の細分化をきちんと行っておけば、他部署の人であっても、近々協力を仰ぎたい業務があることを事前に伝えておくことができるため、ギリギリになって慌てることもなく、スムーズに業務が進行していきます。
仕事を細分化するステップ
仕事を細分化をするためには、適当に業務を短く分割すれば良いということではありません。以下の4ステップに沿って、正しく細分化していきましょう。
- 仕事を細かく分類する
- 作業ごとの工数を決める
- 作業ごとの難易度を決める
- 作業ごとの重要度と緊急度を決める
仕事を細かく分類する
では、仕事の細分化とは具体的にどのように行えばよいのでしょうか。例えば「新規顧客の獲得」を細分化すると以下のようになります。
- アポイントをとる
- 商談用の資料を作成する
- 商談にいく
- クロージング(ゴール)
大きく分けるとこのようになりますが、1の場合では「連絡先を調べる」と「電話をかける(メールを送る)」に分けることができます。2では「情報を集める」、「企業の紹介ページを作る」、「製品の紹介ページを作る」、「事例の紹介ページを作る」など、更に細分化できます。
細かく分ければ分けるほど、効率がよくなりますので、まずは思いつく限りのタスクを箇条書きで書き出すと良いでしょう。
作業ごとの工数を決める
作業ごとに、どのくらいの時間がかかるかを予測しておくことで、全体のタスク完了までのおおよその時間を把握できるようになります。
タスク完了までの目安がわからない場合であっても、「いつまでに終わらせる」と期日を残さず設定していきます。
基本的にひとつのタスクは30分以内で完了できることが理想なので、分類した中に1時間以上かかりそうなタスクがある場合は更に細かく分けるようにしましょう。
作業ごとの難易度を決める
次に、細かく分けた業務内容を確認し、それぞれ誰でもできる仕事やそうでない仕事など、難易度を設定していきます。
そうすることで、簡単な業務はアルバイトや派遣の方に依頼し、専門性が高い業務はノウハウのある社員に依頼するといった具合に、適材適所にアサインしやすくなります。
作業ごとの重要度と緊急度を決める
最後に、全てのプロセスを同時進行で進めていくことはまず不可能なので、より重要度の高い業務はどれか、緊急性の高い仕事はどれかなど、作業の優先順位を決めなくてはいけません。
下記のような緊急度と重要度を縦軸・横軸に据えたマトリックスを用いて、第一領域から第四領域まで優先順位を決める方法があります。
緊 急 度 が 高 い | 緊 急 度 が 低 い | |
重 要 度 が 高 い | 第一領域 プロジェクトへの影響が強いため、早急に 取り掛かるべきタスク。 例 ◆納期が迫っている業務 ◆複数人での連携が必要な業務 など | 第二領域 重要ではあるが緊急性が低く、すぐに実行 に移す必要のないタスク。 例 ◆人材の育成 ◆製品の品質改善 など |
重 要 度 が 低 い | 第三領域 重要ではないものの緊急性が高く、すぐに 実行に移すべきタスク。 例 ◆重要ではない電話・メール ◆突然の来客への応対 など | 第四領域 業務への影響が少なく、急いで取り掛かる 必要もないため、削除してもかまわないタ スク。 例 ◆不必要な会議 ◆仕事のための仕事 など |
このように、タスクを4つの領域に当てはめることで、優先的に進めるべき業務が明確になるため、効率化につながります。
仕事を細分化する際の注意点
上記のようなステップで細分化を行うということを、理解はできていても、なかなかうまくいかないというかたも多いのではないでしょうか。
細分化を成功させるには、以下の2点に注意してください。
- できるだけ細かく分類する
- 作業やプロセスを行う目的を意識させる
できるだけ細かく分類する
前述の「仕事を細分化するステップ」でも述べましたが、仕事内容はできる限り細かく分類することが鉄則です。
どのような仕事であっても、細かな作業手順書があれば、迷わず作業に取り掛かれますし、誰かに業務を引き継ぐ時も容易です。
例えば、「取引先に資料を送付する」だけのことでも、「資料を用意する」、「取引先の住所を調べる」、「封筒に宛先を書く」、「お金を用意する」、「郵便局で発送手配をする」というように、さらに細かくプロセスを分けてみることで、効率の悪い業務フローや、必要のない作業の洗い出しも可能になります。
作業やプロセスを行う目的を意識させる
ただタスクを細かく分けただけでは細分化したとは言えません。
「なぜこのプロセスが必要なのか」、「どのような目的を達成するためのタスクなのか」ということを、担当者一人一人に意識させることも必要です。
そうすることで、「こうしたほうがもっと効率が良いし、クオリティーも上がる」といった具合に、従業員からもよりよくするためのアイデアが湧きやすくなります。
自社の業務効率化に仕事の細分化を!
今回の記事では、仕事の細分化について解説しました。
ただ闇雲にゴールに向かって突き進むのではなく、業務を細分化して、細かくタスク管理することにより作業効率がぐんとアップします。結果的に、従業員のモチベーション向上や、無駄な作業のカットにも繋がります。
仕事の細分化とは、企業が持続的に成長するための取り組みの一つであるため、実践できていないと感じている場合は、今すぐにでも取り組むことをおすすめします。