業務分担表の作成方法を解説|活用のメリットや作り方のコツも紹介
業務分担表を作成すると、プロジェクトごとに業務工数や業務内容、担当者が見える化されるため、トラブルが発生するリスクが抑えられます。業務分担表の作成は、ビジネスにおいて重要な取り組みの一つです。
そこで今回の記事では、業務分担表の作成方法を解説していきます。活用のメリットやコツも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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業務分担とは
業務分担とは、適材適所の人材配置を行い、スムーズに業務に取り組める運用体制を作ることです。
最適な業務分担を行うためには、まず業務を洗い出し、業務工数や優先度、難易度をしっかり把握する必要があります。
業務分担は、業務効率化や生産性向上が期待できます。しかし、業務範囲が曖昧であったり、適材適所の人材配置ができていないと、社員のモチベーションが低下する原因ともなるため、注意が必要です。
業務分担を行う際は、各メンバーの得意・不得意、適性などを考慮することが重要なポイントになります。
業務分担には表の作成が効果的
業務分担には業務分担の作成が効果的です。その理由として、以下の3つが挙げられます。
- 業務が見える化され抜け防止につながること
- 社員が責任感を持って対応できること
- 組織力が向上すること
この章では、それぞれの理由を詳しく解説します。
業務が見える化され抜け防止につながる
業務をその場で割り振りすると、業務の対応漏れが起こってしまう可能性があります。しかし、業務分担表を作成すれば、誰がどの業務を担当しているのか一目で分かるため、このような問題を未然に防ぐことができます。
仮に追加業務が発生しても、割り振りする際に業務分担表に記入するというフローを変えなければ、業務の対応漏れを防ぐことにつながります。
社員が責任感を持って対応できる
業務分担表で業務の担当者を明確にすることで、業務に対する責任の所在が一目で分かります。
社員が「どこまで自分が担当すれば良いか分からない」といった悩みを持つことも無くなるでしょう。また、より一層仕事に対して責任感と緊張感が生まれ、タスクの遅延削減や品質の向上なども期待できます。
ただし、責任の所在ははっきりしているからこそ、「自分にミスがあったらチーム全体に迷惑をかけてしまう」「まだ一人で対応できるほどスキルがない」など、必要以上にプレッシャーを感じてしまい、本来の実力を発揮できないこともあり得ます。
業務分担表はプレッシャーを与えるために作成するものではないので、チームリーダーはメンバーのサポートも必要です。
組織力が向上する
業務分担表では、各メンバーの業務進捗が見える化されます。
業務に遅れが発生しているメンバーがいれば、余裕のあるメンバーがサポートに回ることが可能です。
従業員同士がサポートし合える体制を構築することで、チームワークが上がりや生産性向上が期待できます。
業務分担表の作成ステップ
業務分担表を作成する際は、しっかりステップを踏むことが大切です。具体的に以下の4つのステップに分けられます。
- 業務の棚卸しをする
- 必要な業務を一覧表にする
- 業務ごとの工数を決める
- 適材適所へ人員を配置する
下記では、業務分担表を作成方法を4つのステップに分けて詳しく解説します。
業務の棚卸しをする
業務を棚卸し、社員一人ひとりがどのような業務を行っているのか、可能な限り細かく棚卸しすることが重要なポイントです。
しっかりと棚卸しができていると、業務分担表の精度が高くなります。そのため、多少の時間をかけてでも、業務の棚卸しはしっかり行うことが大切です。
時間に余裕がある場合は、各メンバーのスキルや適正なども洗い出しておくと良いです。これらも明確にすると、より効果的な業務分担表が作成できます。
必要な業務を一覧表にする
業務の棚卸しが終わったら、次は必要な業務を一覧表にします。一覧表にする際は、ガントチャートの活用がおすすめです。
ガントチャートとは、プロジェクトの工程管理で利用される図表のことを指します。簡単に言うと、スケジュール表のことです。ガントチャートでは、「作業開始日」「作業完了日」「作業内容」「担当者」「進捗状況」などを管理します。
情報共有ツールは数多くありますが、「分かりやすい」「確認しやすい」のが特徴です。タスクごとの進捗状況が一目で分かるため、プロジェクトの工程管理に活用できます。
また、ガントチャートであれば、作成ツールがあるため、シートの作成時間を短縮することも可能です。
業務ごとの工数を決める
必要な業務を一覧表にしたら、業務ごとにかかる工数や難易度などを、一覧表に記載していきます。
その際に、「減らせる工数はないか?」「その業務にかかる工数を減らすためにはどうすれば良いのか?」という点も一緒に考えると、業務効率化につながりやすいです。
適材適所へ人員を配置する
一覧表に工数や難易度の記入が終わったら、適材適所へ人材を配置します。
ここでは、社員の特性を生かした配置にすることが重要です。適材適所へ人材を配置することで、コスト削減や社員の定着率向上が期待できます。
社員が担当の業務で十分に能力を発揮できれば、コスト削減につながります。十分な力を発揮できない場合、その分残業や人材の採用で補わなければなりません。一人ひとりが100%の力を発揮できる職場では、人件費を最小限に抑えられます。
また、社員の適性や意志が反映されていない業務分担では、「仕事をやらされている」と感じやすいです。やりがいを感じられなければ、退職を決断する社員も出てきます。そのため、適材適所への人材配置では、「社員が希望する業務であるか」「業務を通して成長を感じられるか」といった点も重要です。
業務分担表作成のコツ
業務分担表を作成する際のコツには、以下の5つが挙げられます。
- できる限り業務を細分化すること
- 偏りがないようにすること
- 余裕のあるスケジュール感にすること
- 優先順位を明確にすること
- 長期的に運用すること
下記では、それぞれのコツを詳しく解説します
できる限り業務を細分化する
業務を細分化することで、業務ごとの細かい工数などを把握できるため、精度の高い業務分担表が完成します。
一つあたり、半日から1日程度でできる業務量に設定するのがおすすめです。
1週間程度に設定すると、スケジュール管理が難しくなります。進捗が把握できず、トラブルが発生してしまった場合でも、対応に時間がかかる可能性が高いです。
偏りがないようにする
業務分担表を作成する際は、社員から不満が出ないように、社員によって業務の偏りがないように注意しましょう。
仕事ができるからという理由で、特定の社員に集中して業務を配分してしまうと、「私だけ業務量が多い」「あの人ばかり重要な業務を任されている」と他のメンバーが不満や不信感を抱く原因になりかねません。
また、現在では社員だけでなく、契約社員、委託など様々な雇用形態があります。各雇用形態によって人件費や労働時間が異なるため、雇用形態も考慮した上で業務を配分すると良いです。
どうしても業務に偏りが発生してしまう場合は、あらかじめメンバーに事情を説明しておくことをおすすめします。
余裕のあるスケジュール感にする
達成が難しい計画にすると、社員のモチベーションが下がり、生産性も低下する恐れがあります。
プロジェクトの遅延などのリスクを想定し、それらに柔軟に対応できるようにしておくことが大切です。そのため、期日設定や人数配分は余裕を持たせるようにしましょう。
また、業務分担表のフォーマットは変更しやすい容易な構成にしておくことをおすすめします。
優先順位を明確にする
期日内に全ての業務を終わらせるのが理想ですが、毎回必ず順調に進むとは限りません。時には、トラブルで遅延が発生することもあります。
それでも期日を絶対に守らなければいけない重要度や緊急性の高い業務は存在するため、一目で分かるような表にすることが大切です。
優先順位の高い業務は赤字に変更するなど、他の一般的な業務と優先順位を明確にしておきましょう。
長期的に運用する
業務分担表は、メンバー全員が常に最新の状況を確認できるように、状況に応じて更新し続けることが大切です。
業務分担表は作成すれば終わりというわけではありません。プロジェクトの進捗状況や内容は常に変わります。時には、トラブルが発生したり、スケジュールや担当者が変更されたりすることもあるでしょう。
業務分担表を長期的に運用するためには、チームリーダーが各メンバーの進捗状況を常に把握する必要があります。
業務分担表の作成しスムーズな運用体制を作ろう
今回は、業務分担表の作成方法や活用メリット、作成のコツなどを詳しく解説しました。
業務分担表の大きな役割は、業務を「見える化」することです。業務を見える化することで、プロジェクト管理がしやすくなります。
ただし、業務分担表を作成する際は、コツを押さえることが大切です。できる限り業務を細分化し、社員によって業務の偏りがないようにします。作成したら終わりという訳ではなく、効果を発揮させるためには、長期的に運用することも欠かせません。
業務分担表はビジネスにおいて非常に重要な役割があります。業務分担表を作成する時間を作れない場合や、作成する自信がない場合は、株式会社SALに依頼するのがおすすめです。
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