経営者はスキルより資質が重要？

経営者として求められるものは数多く、スキルといった能力だけでなく「経営者の資質」も求められます。中心人物となって事業を進めていく中で、経営者は責任感や決断力が必要であるため、資質は非常に大切なものです。

しかし、経営者としての資質がないから向いていないという訳ではありません。資質のある人物でもスキルや知識が伴っていなければ、会社の先頭になって事業を進めることは不可能です。

資質だけでも事業の成功にはつながらないため、経営者はスキルや知識を身に付けるために努力することが求められます。現段階における資質やスキルよりも、努力して成長し続ける姿勢が重要です。

経営者に必要なスキルや能力

経営者に必要なスキルや能力として以下の具体例が挙げられます。

経営者にはさまざまなスキルが求められますが、上記はほんの一部です。主軸となるスキルを網羅した上で、ほかのスキルの習得を目指しましょう。

適切かつ早い決断力

事業を主体で進行させる経営者は、重要な選択を迫られる機会が多々あります。そのため、経営者には適切かつ早い決断力が必要です。

判断力がなければ、競合他社に先を越されてしまったり、社員がどうすれば良いかわからず困惑してしまったりすることが予想されます。

決断力には主観的な考え方だけでなく客観的な視点からの考えも必要であるため、バランスを取りながら経営者として成長する必要があります。

論理的思考力

競合他社の多い現代では直感で会社を経営しても期待する成果はられないため、経営者には論理的思考力が求められます。

論理的思考能力は事業の取り組みを的確に進めることができるため、経営者だけでなくビジネスパーソンにも必要とされるスキルです。

また、さまざまな視点から物事を理解・分析することで問題を解決する論理的思考能力は、環境の変化にも対応できる力を身に付けることに役立ちます。

財務関係の知識

会社経営では確定申告や決算などの手続きが必要であるため、財務関係の知識を身に付けておかないと正しく会社経営を行うことができません。

正しい正確な方法で財務関係の手続きを完了すれば問題ありませんが、どんぶり勘定が原因で倒産する会社もあります。

書類作成や決算などの業務は会計士や税理士に仕事を任せられますが、完了した仕事を経営者は確認して正しい内容であるか確認することが大切です。確定申告や決算におけるミスを無くすことも経営者に求められる能力です。

コミュニケーション能力

従業員との認識のすり合わせやパフォーマンスの最大化を実現するために、経営者にはコミュニケーション能力が求められます。

従業員と良好な関係性を築くためにもコミュニケーション能力は重要ですが、取引先との関係構築にも必要です。

相手に失礼のないような態度で、自社の取り組みをアプローチしたり、ともにプロジェクトを進行させたりしなければなりません。コミュニケーション能力があると、決定事項や取り組みの変更をスムーズに伝えられるため、事業の進行も問題なく順調に進むことが予想されます。

先見性

インターネットや技術レベルの進化により変化の激しい時代になった現代では、環境の変化に対応するために物事を先読みする先見性が経営者には必要です。

これまで通用していたノウハウやスキルが明日には使用できなくなっているケースは珍しくありません。そのため、何十年先をも見通し、その上で変化に応じて先手を打っていく必要があります。

鋭い洞察力と先見性を伴う先見性は、企業を発展させていく上で欠かせないスキルの一つです。

経営者が必要なスキルを身に付けるためには？

経営者が必要なスキルを身に付けるためにやるべきことは以下の通りです。

それぞれを意識して取り組むことで、会社経営に必要なスキルを身に付けることができます。

常に変化を考えておく

現代は環境の変化が激しく、最近まで通用していたスキルやノウハウが適応しない状況に変わることは珍しくありません。そのため、経営者がスキルを身に付けるには、常に変化を考えおくことが大切です。

変化に対応できるよう神経を尖らせておかないと、環境の変化においていかれる可能性が高い傾向にあります。今、実際に目で見えているものだけでなく、これからどうなるのかにも着目することが大切です。

意思決定を頻繁に行う

経営者が必要なスキルを身に付けるうえで、日頃から意思決定を頻繁に行うことが大切です。

会社の経営では数多くの意思決定を求められるうえ、判断によって企業の業績は大きく変化されるため慎重かつ速やかな判断が求められます。どんなに小さい事象だとしても、意思決定を行い慣れておくことが重要です。

さまざまな視点で物事を判断する癖をつけておき、実際に大きな決断をする際にも臆することないよう耐性を付けておくのがベストです。意思決定を行っておくことで、経営判断を迅速かつ的確に行えるようになります。

過去に固執しすぎない

経営者に必要であるスキルをしっかりと身に付けるには、過去に固執しすぎてはいけません。過去に固執しすると現代における激しく新しい変化についていけず、業績が悪化してしまう可能性があります。

過去における事業の成功体験は今後の方針の参考にはなりますが、実際に通用するとは限りません。過去の栄光に固執するのではなく、将来に向けて新しく柔軟な視点で物事を判断する必要があります。

スキルや能力を活かして会社経営を成功させるコツ

スキルや能力を活かして会社経営を成功させるコツは以下の通りです。

スキルを身に付けただけでは会社経営に活かすことはできません。経営を成功させるコツを意識してスキルを活かしましょう。

経営の目的やビジョンを明確にする

スキルや能力を活かして会社経営を成功させるためには、経営の目的やビジョンを明確にすることがコツです。

会社としても軸をしっかり構えていないと、会社としての成長が見込みづらい傾向にあります。ビジョンや目的が明確化されているかどうかで、会社全体の士気が変わることもあります。

下記は実際に成功している企業が掲げていた目的やビジョンです。

産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り世界文化の進展に寄与せんことを期す

引用：パナソニック公式ホームページ

パナソニックは企業の軸となる経営理念を掲げ、より豊かな暮らしを目指し、世界中の人々の幸せと社会の発展させるためにさまざまな取り組みを進めているのです。

物事をポジティブに捉える

スキルや能力を活用して会社経営を成功に導くためには物事をポジティブに捉えることがコツです。

物事をポジティブに捉えた姿勢を見せることで、従業員のモチベーションやロイヤリティ向上につながるなど、周りにプラスの影響を与えられます。

反対に、後ろ向きな姿勢ばかり見せていると同じ状況だとしても、従業員のモチベーション低下を招いてしまうリスクがあります。

モチベーション低下が続くと生産性にも大きく影響し、最終的には企業の大きなマイナス要素となるでしょう。事業振興におけるマイナス要素をすべて洗い出し、ポジティブな方向に転換すると考え方を変化させることができます。

資金調達を確実に行う

スキルやノウハウを活用して業務に取り組み、事業拡大を成功させるためには、活動できる資金面の基盤が必要です。

資金に余裕がなくなり、企業に集中できなくなる状況を避けるために、経営者は資金調達を確実に行う必要があります。

また、資金調達は事業の継続と拡大に大きく関係します。資金を確実に調達できるのであれば、ほかの従業員は安心して自身のコア業務へと注力でき、さらなる良い成果を生み出すでしょう。

資金調達は1箇所に絞ることなく、複数カ所あると安定します。金融機関からの融資だけでなく、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなど、さまざまな資金調達先を用意しておき、資金に困る状況に陥らないように体制を整えておくことが大切です。

経営者に必要なスキルは最低限身に付けておく

経営者は会社の存続を任されている責任者であるため、経営に必要なスキルは最低限身に付けておくとよいでしょう。特に会社経営を成功させたいのであれば、コミュニケーション能力や適切かつ早い決断力、論理的思考力、財務関係の知識、先見性などは網羅しておく必要があります。

スキルを身に付けるためには日頃から意思決定に触れておく、過去に固執しすぎないなどの手法を活用すると効果的です。また、物事をポジティブに考えるや資金調達を確実に行うといったコツを意識して経営を成功させましょう。