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人材開発

企業における人材開発の定義とは?方法や成功例もわかりやすく説明!

SAL編集部
SAL編集部
企業における人材開発の定義とは?方法や成功例もわかりやすく説明!

人材開発は近年の労働時間の長時間化や少子高齢化によって、企業にとってますます重要な取り組みとなりつつあります。働き手の総数がさらに減ることが予想される現在、少人数で非効率的にだらだらと業務を行うようでは、企業全体のパフォーマンスアップはとても望めません。

そこで注目されているのが、人材開発によって社員一人ひとりの能力を伸ばし、それを企業全体の業績アップにつなげることです。今回は、企業における人材開発の定義や人材開発の目的、具体的な方法から実例まで、わかりやすくご紹介します。

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企業における人材開発の定義

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人材開発といっても、想像する内容は人によって様々ではないでしょうか。そこで、まず企業は人材開発をどう定義づけているかを確認してみましょう。企業にとって人材開発とは、それぞれの社員が持つ能力やスキルを伸ばし、成長を促す取り組みを指します。

人材開発の目的は各社員の能力・スキルを最大化させ、それを組織全体の成長につなげることです。具体的な方法としては社内外での研修、OJT、コーチングなどが挙げられます。

人材開発と人材育成の違い

人材開発とよく似た言葉に「人材育成」があります。社員の能力・スキルを高めるという点では同じですが、大きく異なるのは対象と身につける能力の種類です。例えば人材開発は企業内の全社員を対象に行われます。

人材開発の場合、注力するのはあくまでその社員が持っている能力やスキルを発掘あるいは伸ばし、企業全体の実力を上げていくことです。階級や年齢は関係ありません。それに対し、人材育成の対象になるのは新卒社員や若手社員、また管理職など、年齢やポジションなどの観点から行われます。

さらに主に不足しているスキルを身につけさせることを目的としており、「すでにある能力を発掘する、または伸ばす」人材開発に比べ、「足りない能力を補う」のが人材育成と考えてよいでしょう。

人材育成で行われるのは、経験の少ない若手社員であればコミュニケーションやプレゼンテーションなどの基本的なビジネススキル。さらに部署や職務内容などに応じた専門スキルなどです。

一方、管理職の場合はいわゆるテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキル(抽象的な考えや物事の大枠を理解する力)などを身につけていきます。人材開発の定義、人材開発と人材育成の違いに続いて、企業はどのような目的で人材開発を行うのかをご説明します。

企業における人材開発の目的とは?

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ここでは、企業が人材開発を行う3つの目的についてお伝えします。

生産性を高めて企業全体のパフォーマンスを向上させる

人材開発は既にご紹介したように、企業内の全社員を対象に能力を向上させ、そこから組織の生産性を高めるために行われます。企業にとって生産性の開発は実現すべき重要な課題です。政府が働き方改革を打ち出したことからもわかるように、日本企業の生産性は残念ながら高いとは言えません。

主な理由として長時間労働や人手不足などが挙げられます。今後、少子化がさらに進んで労働人口が減少すれば、生産性はさらに低下すると考えられています。このような状況の中で生産性を高めるために有効なのが人材開発です。それぞれの企業の経営目標に沿った能力開発が実現すれば、企業全体の生産性向上につながります。

目標達成に向けた社員のモチベーションをアップするため、キャリアデザイン研修などを行うことが効果的です。

新入社員や中途採用社員の早期戦力化を図る

人材開発によって新入社員や中途採用社員を早期に戦力化できれば、採用コストの早期回収が可能になります。例えば経営理念や自社ビジョンの浸透を図るための座学、配属先でのOJTで実務のノウハウを早い時期から教えるなどの方法がおすすめです。

企業が掲げている経営戦略を達成する

企業の経営戦略に沿った人材開発を行うことで、早期の目標達成や業績の拡大が望めます。グローバル化を推進するために第二新卒などの若手社員に語学力をつけさせる、または新規顧客の獲得に向け担当者のマーケティング力を強化するなど、経営戦略の達成に必要なニーズや課題を把握し、その解決に役立つ能力開発に取り組むことが重要です。

次に、企業で行われる人材開発の方法についてご紹介しましょう。

企業における人材開発の具体的方法4選

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企業内で取り組める人材開発について、具体的な4つの方法をご紹介します。

方法①OJT

OJT(On the Job Training)とは、配属先の先輩社員や上司が実務を通し、社員教育を行うことです。経験ある社員から、すぐに役立つノウハウを身近で教えてもらうことが可能です。

<OJTのメリット>

  • 先輩や上司が対応するため、新しく配属された社員が気軽に質問や相談ができる
  • OJTを任された社員の意識向上にもつながる
  • 社員が社内で行う人材開発法なので低コスト

<OJTのデメリット>

  • 教える社員によって効果に差が出る
  • 任せられた側の負担になることがある

方法②Off-JT

Off-JT(Off the Job Training)は、社外での座学や講習、実習などを通し、業務に必要なスキルを身につけたり、能力アップを図ったりすることです。具体的には外部講師を招く、社外研修に申し込む、最近ではオンラインで行うe-ラーニングなどもOff-JTの1つです。

<Off-JTのメリット>

  • 「教えるプロ」の指導を受けられる
  • 実務において新たな知見の獲得につながる
  • 自分のキャリアを見直すきっかけになる

<Off-JTのデメリット>

  • 外注するためコストがかかる
  • 社員のレベルや能力にマッチしない場合、成果が上がりにくい

方法③コーチング

コーチングとは対象者が自主的に行動することを重視し、能力を最大限に引き出すためのコミュニケーション手法です。上から命令するという上下関係ではなく、双方向で対話を重ね、対象者が自ら行動したくなるよう促すことがポイントです。

<コーチングのメリット>

  • 自主的に問題点や改善点を考える習慣が身につく
  • 対象者に対し、主体的な行動が期待できる

<コーチングのデメリット>

  • 自主性を重んじるため効果が出るまでに時間がかかりがち
  • コーチの能力によって成果にバラつきがある
  • 基本的に1:1で行うため、一度に複数の対象者への対応が難しい

方法④自己啓発

自己啓発とはその名の通り、社員が自ら問題・課題を設定し、その解決や達成に役立つスキルや能力を高めるための取り組みを行うことです。個人のモチベーションが大きな役割を果たしますが、会社として社員をサポートする制度(教材の購入費、講座の受講費の補助など)を整えると効果アップが期待できます。

<自己啓発のメリット>

  • 自ら設定した問題や課題に、前向きな姿勢で取り組める
  • 能力やスキルアップに加え、人間的な成長にもつながりやすい

<自己啓発のデメリット>

  • 個人の意欲や取り組み方によって成果に差がある
  • 手段(勉強)と目的(実務における効果)が逆転する恐れがある

企業が抱える人材開発の課題とは?

黒板に課題の文字

人材開発は非常に重要ですが、実施する際には注意しなければならない点もあります。

人手不足により本部や現場に人材開発業務をする従業員がいない

人材開発にとって、指導する人材の不足は大きな課題の1つです。令和元年に厚生労働省が発表した調査によると、社員の能力開発において最も多く挙がった悩みは「指導する人材が不足している」(58.1%)です。

この課題を解決するため、第一に取り組みたいのは社内の環境を整えることです。例えば業務を見直し指導する人材育成の時間を設けることも対策になります。その他に外部にリソースを求めることも課題解決の一助になるはずです。

参照:令和元年度能力開発基本調査|厚生労働省

担当者のスキル不足により人材育成の効果を得られない

人材開発を担当する指導者はいるものの、指導スキルが不足しているというケースもあるでしょう。業務対応のスキルと指導スキルは別物です。

特にOJTを行う場合など、指導される側の立場になったものの見方ができなかったり、受ける側のレベルに応じた指導ができなかったりすると、望むような成果が得られないこともあり得ます。

そこで検討したいのが指導担当者のレベルアップです。指導者の教育にはプロの手を借りることが望ましいです。担当者に外部研修を受けさせたり、プロの講師を招いて社内で講座を行ったりしてもよいでしょう。

人材開発を重んじる風土がなく人材開発が後回しになる

人材開発に積極的な風土が形成されていない企業の場合、人材開発をスムーズに進めるには困難が伴います。「日々業務が多忙なため、人材開発に取り組む時間の余裕がない「上層部が人材開発など時間の無駄と考えている」などのケースが考えられます。

このような場合、社内全体の意識を変えていく必要があります。それには経営層や人事部が社員に向け人材開発の重要性を説明したり、定期的にメッセージを発信したりすることで、人材開発に意識的な土壌を育成していきます。

企業における人材開発の成功例

空に雲でいいねの形

最適な人材開発の方法は企業によって異なります。ここでは実際に成功した例を取り上げました。

GEジャパン|デジタルラーニングを活用

GEがニューヨーク州クロトンビルに開設した世界初の企業内ビジネススクール・「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」。別名「人材開発の聖地」と呼ばれるこの施設では、会社が主体となって研修の品質を確保しています。

同施設のフィロソフィーは「30万人の社員全員がリーダーシップを発揮する」。この流れを受け、GEジャパンでも「TCP(Trainer Certification Program)」を実施して研修プログラムごとのトレーナー育成を行っています。初心者から上級者まで、トレーナーに求められるレベルに応じた研修によって数多くの優秀な指導者を育成してきました。2015年にはデジタルラーニングのプラットフォームも立ち上げ、書籍・ビデオ・オンライン講座・集合研修まで多様なコンテンツを展開しています。

キヤノン株式会社|社内講師制度によるスキルアップ

社内での講師育成に力を入れているキヤノンは、社員向け研修の約8割を内製化。内製化による最大のメリットは、社内事例を共有し対策を立てやすいことです。会社がカリキュラムに合わせるのではなく、自社に合わせてカリキュラムを柔軟に変えていくことも可能。

また社員が講師なのでコストカットにもつながりますし、講師同士が気軽に交流でき知見が蓄積されることも見逃せないメリットです。キヤノンで社内講師になるには、レクチャーや模擬研修を受け、会社が求める基準をクリアしなければなりません。そうやって指導の質を担保しつつ、社内講師専用の支援体制を整備してスキル向上も手厚くサポートしています。

博報堂|自分に合ったプログラムを選択できる制度

国内で、電通と共に広告代理店の二大巨頭として知られる博報堂。人材開発において年間約200本の研修を実施する同社では、多くの研修で社員が講師を担当しています。2005年には、人材開発の強化を目的とする企業内大学「HAKUHODO UNIV.(博報堂大学)」を設立し、話題になりました。

博報堂大学のキャリアデザインプログラムは大きく3つに分かれます。まず20代を対象に複数領域の専門性を併せ持ったプロフェッショナル人材の育成をめざす「多段階キャリア育成制度」、30代から50代まで年齢に応じて必要となるスキルの獲得を目的とする「世代別キャリア開発支援プログラム」、そして「個別キャリア相談」です。

この取り組みは、社員のキャリアに対する自覚や自立を育むきっかけとなりうるはずです。

正しい方法で人材開発をして企業の成長を図ろう

グラフ背景と葉っぱの芽生え

企業で行われた人材開発の実例を見ても、人材開発には“これが絶対”という正解はないとおわかりいただけたかと思います。やみくもに人材開発を行うのではなく、自社に最もフィットするのはどのような方法か、実際にスタートする前にどのような準備が必要かなど、しっかり確認した上で取り組むことが重要です。

自社にとって正しい方法を見極めた上で人材開発を行い、企業全体での成長を目指しましょう。

この記事を書いた人

SAL編集部
SAL編集部 SAL henshubu

株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。