在宅ワークのメリットやデメリットは?特徴や企業が在宅ワーカーを雇う注意点も解説
在宅ワーカーの特徴とは?
オフィスへ出勤せず、自宅をメインに自分の好きな場所で働く「在宅ワーカー」。コロナ禍で一気に広がったワークスタイルですが、実際にはどんな人が在宅ワーカーとして働いているのでしょうか。
在宅ワーカーという働き方を選んでいるのは、例えば次のような人たちです。
・乳幼児の育児や家族の介護など、長時間、自宅を空けるのが難しい。
・自宅で仕事をして、家事とうまく両立させたい。
・持病や障がいなどがあり、通勤が困難である。
・通勤時間を省き効率的に仕事をしたい。
近年、注目されるようになった在宅ワーカーという働き方は、出勤する働き方と同じく長所も短所もあります。
続いては、在宅ワークのメリットとデメリットについてご紹介します。
在宅ワークのメリット
在宅ワークのメリットは第一に通勤時間が不要なこと、さらに場所を選ばなくてよいことなどがあります。それらのメリットについて、より詳しくみていきましょう。
通勤時間がなく作業効率がよい
時間をかけて通勤しなくてもよいことが、在宅ワークの最大のメリットといえるのではないでしょうか。
総務省統計局が発表した、国内の通勤・通学時間に関する調査によると、全国平均では1日あたり往復で1.19時間という数字が出ています。
主要都市圏に限ってみると、下記のような結果となっています。
東京都 | 1.34時間 |
大阪府 | 1.25時間 |
神奈川県 | 1.45時間 |
愛知県 | 1.19時間 |
福岡県 | 1.14時間 |
もちろん、さらに長い時間をかけて通勤している方もたくさんいらっしゃることでしょう。
通勤は時間を取られるだけでなく、満員電車に揺られて精神的なストレスにもなります。時間および精神的な負荷を取り除けば、結果的に作業の効率化にもつながるのではないでしょうか。
参考:社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング 総務省統計局(平成28年社会生活基本調査結果より)
働く場所を選ばなくてよい
在宅ワークは出勤の必要がないため、勤務地が遠方にある場合でも働くことが可能です。
これまで、例えば転勤を命じられた場合、家族全員での引っ越しあるいは単身赴任のどちらかを選ぶのが一般的でした。しかし、これでは人生設計が大きく変わってしまったり、子供の成長を見られなかったりなどのデメリットがあります。その点、在宅ワークなら自宅から勤務できますから、そういった心配はほとんどないでしょう。
また勤務地が遠方であれば、女性社員は出産後の復帰が難しく、そのまま退職せざるを得ないケースもあったはずです。在宅ワークはそういった点でもメリットが多い働き方でしょう。
在宅ワークのデメリット
働く側としてメリットが多い在宅ワークですが、その一方で情報を得にくい、プライベートと両立しにくい、コミュニケーションが減るなどのデメリットもあります。
最新情報を得ることが難しい
自宅に1人で働く在宅ワークは、周囲の雑音などを気にせず業務に集中できる一方、業務や会社に関する情報が入りにくいというデメリットがあります。全員が同じオフィスに勤務していれば、社内にいるだけで自然と会社や業務に関する最新情報が耳に入ってくるはずです。
このデメリットを解消するには、スタッフ同士がこまめに連絡をとり、情報を共有する必要があります。電話やメールもありますが、ビデオ通話やWeb会議システム、チャットツールなどのツールを導入すれば、社内のコミュニケーションを活性化させることができます。
それらのツールを導入する際には使用に関するルールを決めることが必要です。
プライベートとの両立が難しい
在宅ワークは自宅で業務を行うだけに、仕事モードからプライベートへの切り替えが難しいというデメリットもあります。よくあるのは、ビデオ会議中に小さい子供が部屋に入ってきてしまったり、退勤時間になってもずるずると業務を続けてしまったりすることです。
解決策としては、業務中は家族が出入りをしないよう特定の仕事部屋を用意する、それが難しいならパーテーションなどで仕事用のスペースを作って仕事に集中できる場を作る、会社側にWebによる勤怠管理を徹底してもらう、面倒でも時間がきたら仕事道具を片付けるなどがあります。
コミュニケーションをとる機会が減り孤独を感じる
出勤するとたくさんの人に会い、コミュニケーションを取りながら仕事を進めていきます。仕事に関する会話はもちろん、ちょっとした雑談をしてリラックスすることもあるでしょう。
しかし在宅ワークになると、会社ほど人と会話する機会は多くないのではないでしょうか。一人暮らしであればなおさらかもしれません。人との関わりが減った分、孤独を感じる在宅ワーカーが増えているようです。
孤独感を解消するには、最新情報を得るための方法と同じく、コミュニケーションツールが役に立つでしょう。業務連絡に加えて雑談もOKにするなどの工夫をすると、やり取りが活発になるはずです。その際は、業務用ツールと雑談用ツールを使い分けるのがおすすめです。
在宅ワーカーは企業にとって業務効率化を図れる
ビジネスを成長させるためには業務の効率化が欠かせません。企業が業務効率化を進める上で、在宅ワーカーの活用は非常に役立ちます。具体例を挙げてみましょう。
・営業担当者が営業活動後に行っていた営業事務を、在宅ワーカーに依頼。担当者は営業活動やクライアント管理などコア業務に集中でき、かつ事務作業で残業することがなくなり、効率化に成功した。
・採用活動やセミナー運営、社内研修など、一時的な負担が大きいスポット業務を在宅ワーカーに依頼。企業内で人員を割く必要がなくなり、業務の効率化が実現した。
具体例からもお分かりいただけるように、在宅ワーカーの導入は企業にとって業務効率化につながるという大きなメリットがあります。
直接的な利益にはつながりにくい社内業務や、マニュアルを使用すれば済むルーティン業務などを在宅ワーカーに依頼すれば、社員は重要なコア業務へ集中でき生産性がアップします。
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企業が在宅ワーカーを導入する際の注意点
点もあります。なぜなら業務のアウトソーシングには経営に関する情報の提供や在宅ワーカーとの円滑な意思疎通、勤怠管理などが必要だからです。
ここではそういった注意点について、より具体的に説明していきます。
セキュリティ対策を行う
在宅ワーカーの導入には、情報漏洩やコンピューターウイルス感染などのリスクがあります。データのやり取りに社外のネットワークを使用したり、第三者の目に触れたりする危険があるからです。
例えば経理や人事など、企業にとって非常に重要な情報を外部の在宅ワーカーと共有する場合、情報漏洩しないよう十分に注意しなければなりません。
そのため在宅ワーカーや在宅チームを導入する際には、まず企業内でセキュリティに関するルールを策定することをお勧めします。業務を行う上で在宅ワーカーが守るべき行動や考え方などをまとめてください。
また企業内のセキュリティレベルを確認すると共に、情報の取り扱いについて在宅ワーカーと契約を交わすことが重要です。それによって重要な情報の漏洩を防ぎつつ、業務の効率化を図ることが可能になります。
勤怠管理ルートを明確にしておく
在宅ワーカーを活用する場合、勤怠管理の方法を明確にしておくことも必要です。原則として外部の在宅ワーカーを導入する際、企業は在宅ワーカーの勤怠管理を行うことはありません が、内部スタッフの場合は勤怠管理をする必要があります。
在宅ワークの場合は勤怠管理が自己申告制のため、タイムカードの打刻などわかりやすい目安がなく、労働状況の把握は難しいものです。
またどのような業務に対応しているのか、進捗状況はどうなっているかなどを把握しにくいというデメリットも。それらの問題を解決するには、メール・電話で出退勤を報告させる、勤怠管理システムを利用するなどの方法があります。
さらに形の上では退勤になっているのに実は業務を続けている「隠れ残業」も問題になっていますが、それを防ぐためには、夜や休日はデバイスの利用制限をかけるなどの対策をするのも1つの方法です。
自社に最適な方法・対策を選ぶことで適切な勤怠管理が可能になるので、注意して検討してください。
コミュニケーション不足にならないようにする
対面せずに仕事をするのが当たり前の在宅ワーカー導入において、コミュニケーション不足は業務を滞らせる大敵です。在宅ワーカーを導入して業務をスムーズに進めるには、こまめなコミュニケーションが欠かせません。また在宅ワーカーの導入にはメリットが多々ありますが、自社にノウハウが蓄積されないという恐れもあります。それを防ぐためにも在宅ワーカーと定期的なミーティングを行い、ノウハウを共有していくといいでしょう。
ここでもビデオ通話やWeb会議システム、チャットツールなどのツール導入が役に立つはずです。
在宅ワーカーを採用し生産性を向上させよう
在宅ワーカーのメリット・デメリット、導入による効果や注意点などについてご紹介しました。在宅ワーカーの導入によって、ビジネスの成長・拡大に欠かせない業務効率化・生産性アップの実現はもちろん、人件費のコスト削減や固定費の変動費化も期待できます。それらの課題にお悩みの企業は、ぜひ在宅ワーカーの導入・活用を検討してみてください。