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人手不足

経理の人材が不足する原因と対策方法|アウトソーシング・ツール導入など具体的な方法も紹介

SAL編集部
SAL編集部
経理の人材が不足する原因と対策方法|アウトソーシング・ツール導入など具体的な方法も紹介

日本では少子高齢化が進み、労働人口が減少している影響で、様々な業界・業種において深刻な人手不足に陥っています。その中でも近年では、ほとんど全ての企業で必要な業務である「経理職」の人材難が顕著になってきています。
経理の人材が不足すると、企業にどのような問題がでてくるのでしょうか。
この記事では、経理人材の不足に悩む経営者に向けて、経理人材が不足する原因や具体的な対処法の解説、経理の人材不足が引き起こす重大なリスクについて紹介していきます。

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経理の人材が不足する原因

実は、経理職の有効求人倍率は2021年1月の調査では0.57倍と、数字だけを見れば買い手市場で、求職希望者にとっては非常に狭き門です。国家総合職の中でも、財務省が最難関の一つであるように、「お金」を扱う経理職はエリートの証であるとも言われています。このように昔から人気の高い職種であるにも関わらず、人材難になってしまった原因は、主に以下の4点にあります。

  • 生産年齢人口の減少
  • 業務内容の複雑化
  • コロナ禍の影響
  • 経理採用の優先度をあげづらい

それぞれ詳しく解説していきますね。

生産年齢人口の減少

日本の生産活動の中心を担う15歳から64歳の人口を生産年齢人口といいます。
この生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークにマイナスの一途をたどり、25年経った2020年には7,406万人と1,000万人以上も減少しました。
このためほとんどの業種で求人市場は売り手市場、慢性的な人手不足となり、経理職においても例外なく求職者が減り、人材難に陥っています。
今後も更に生産年齢人口の減少は進み、2040年には6,000万人を下回ることが推計されていますから、長期的な対策を講じる必要があるということです。

業務内容の複雑化

ルーティンワークのイメージを持つ人も多い経理職ですが、実際は簿記や会計法など、専門的な知識が必要であり、加えて頻繁な法令の改正、インボイス制度や電子契約の導入といった、新制度へのアップデートが求められることで、複雑化しています。
他にも、中途採用者には3年以上の実務経験が必要であったり、海外企業と取引のあるグローバルな企業ではTOEIC700以上という高いビジネス英語の能力が必須であったりと、経理人材に求めるスキルのハードルが高くなり、企業が求めるスキルを持つ人材に出会うことが難しくなっています。
また、会計システムなどデジタル化が進んでいる業種でもあるため、「いつかAIに仕事を取って代わられるのでは」というネガティブなイメージを持つ人も少なくなく、初めから経理職を目指す人が年々減少していることも、経理の人材が不足する要因の一つです。

コロナ禍の影響

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの企業でテレワークが浸透していきました。しかし、全てをテレワークへ移行することが難しい職種もあり、その一つが「経理職」です。
2020年4月、株式会社マネーフォワードの子会社であるマネーフォワードケッサイ株式会社は、東京・大阪・福岡など8都道府県の会社役員及び経理財務・会計担当者1,000人を対象に、緊急事態宣言後における経理担当者のテレワーク実施状況を調査しました。
MF KESSAI、「経理財務・会計担当者のテレワークの対応状況」に関する調査を実施
これによると、完全にテレワークへ移行できていると答えた人はわずか17パーセントで、8割以上もの経理担当者が月に1回以上の出社を余儀なくされている状況であることがわかりました。
他の事務職や営業職では、完全テレワーク化に成功しているのに、経理担当者だけが出社しなければならない状況に不公平さや不満を感じている人は多く、デジタル化が進まず、経理のみに出社を強制している会社では、経理担当者が転職や退職に乗り出し、経理の人材不足につながってしまうケースがあります。

経理採用の優先度をあげづらい

目立ったニュースにはなりませんが、前述したような理由から、経理職でも人材難は深刻であり、また、経理はどの企業にとってもなくてはならない大切な業務であるにも関わらず、新たな人材を採用する優先度を低くされているようです。生産職や営業職とは違い、企業の成長に直接影響しない部署であるためか、人材の投入を後回しにされてしまうのです。
求人市場においても経理の募集がかかりづらいという現状もあり、経理職を希望する求職者が減り、募集をかけても求めるスキルを持った人材を確保することが困難になるという、悪循環に陥っています。

経理の人材不足への対策方法

経理は「お金」を扱う部署であり、会社の信頼にも関わる大切な仕事ですから、人材不足に悩んでいるなら、以下の対策を検討してみましょう。

  • 採用ではなくBPOも検討する
  • IT系のツールを導入する
  • 経理採用の優先度をあげる

採用ではなくBPOも検討する

BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、企業のある業務プロセスを一括して外部業者に委託することを言います。
近年では、直接利益を生まない「ノンコア業務」をアウトソーシングする会社が増えています。税法や簿記などの専門的なスキルが必要な経理業務ですが、期間限定の決算業務や売掛金の消込処理だけでもBPOすることで、経理担当者の業務負担がかなり軽減されるでしょう。

IT系のツールを導入する

経理の人手不足解消のため、進めるべきなのはデジタル化です。
先に紹介した「経理財務・会計担当者のテレワークの対応状況」に関する調査によると、60パーセント以上もの経理担当者が「経理のテレワークは行いにくい」と回答しており、その理由で一番多かった回答が「紙での会計帳簿書類(請求書等)の対応のため」で、70パーセント以上の経理担当者が回答しています。
このように、経理のテレワーク化が捗らない原因にもなっている日本の紙文化ですが、ITツールを導入することで紙の請求書やハンコによる押印をなくし、ペーパーレス化や請求業務のオンライン化をすすめていけば、業務効率や正確性、担当者のパフォーマンスが向上し、経営改善のための施策を考える余裕が生まれます。また、コストカットにもつながるなど、企業にとってたくさんのメリットを得られます。

経理採用の優先度をあげる

経理など管理系の事務は、売上に直接寄与しないため人材を割り振る優先度が低いと述べました。しかし、後述しますが、経理の人材が不足すると将来的にさまざまな問題が発生するリスクがあります。経理という仕事が如何に重要な業務であるかを理解し、採用の優先度を上げることも考えてみてはいかがでしょうか。

経理の人材不足が抱えるリスク

経理の人材不足が抱える深刻なリスクに、以下の二点が挙げられます。

  • 不正やミスの発生
  • 労働環境の悪化

それぞれ詳しく解説しましょう。

不正やミスの発生

企業全体のお金の流れを把握する必要がある部署なだけに、経理・会計業務においての「ミス」は税金に関わることや、情報漏洩など、重大な問題に発展するケースが多くあります。中小企業や小規模事業者では初めから経理担当者が一人だけということもあるようですが、人材が不足し、少人数で業務をこなしていると、お金の流れや、他の社員の行動を把握できなくなり、このようなミスを誘発しやすくなりますし、着服などの不正行為が発生する可能性も考えられます。

労働環境の悪化

経理では、月初や月末など決まった時期に、それも数日間に業務が集中しやすく、その際の業務量は膨大です。少ない人数で業務にあたることで、休憩が取れなかったり、残業や休日出勤を余儀なくされるなど、経理の人手不足は大変な労働環境の悪化を招く危険性があります。
疲れが溜まると集中力が低下しミスも起こりやすくなりますし、ストレスで体調が悪くなることもあります。さらには、劣悪な労働環境に嫌気がさし貴重な人材が流出してしまう可能性も考えられます。経理担当者が突然辞めてしまい、後継もいないとなると、給与の支払いが滞るなど、さまざまな問題を引き起こしますので、経理の人材不足には早急に対処する必要があるのです。

人材不足を防ぐには退職者を減らす対策も重要

既存の社員の離職率を下げる方法を考えることもとても大切です。考えられる対策としては以下の二点があります。

  • 「やりがいのある業務」への転換
  • 経理の重要性を社内全体が理解する

「やりがいのある業務」への転換

経理は、専門的な知識が求められる仕事である一方、業務内容自体は、毎月同じような作業の繰り返しである場合がほとんどです。そのような作業が好きな人もいますが、単調な仕事が延々と続いていく日々の中で、新たなことへ挑戦も出来ずモチベーションが下がってしまう人もいます。直接利益を生まない部署だからとマネジメントに手を抜かず、定期的な面談など仕事の満足度や、希望を聞き出す機会を設け、必要に応じて業務転換を行うことも大切です。

経理の重要性を社内全体が理解する

残念ながら、経理の重要性を理解せずに、人員の補充を後回しにしたり、コストを削ってしまう企業もあります。社員は人ですから、このようなことが続けば「経理職を軽んじられている」、「自分たちは大切にされていない」と感じてモチベーションが下がり、退職を考えても仕方ありません。経理は企業の要です。前述した「経理の人材不足が抱えるリスク
」も踏まえ、経理がどれほど重要な業務であるかを社内全体で理解するよう働きかけ、経理担当者がやりがいと自信を持って働ける環境を作りましょう。

経理の人材不足は体制変更のチャンス

経理の人材不足が不足すると企業の信用に関わるようなミスを誘発するリスクがあることや、対策を講じることで、企業にとってさまざまな恩恵を受けられることがわかりましたよね。経理部門は「縁の下の力持ち」、「影の立役者」とも呼ばれるように、企業にとってとても重要で、他部署の全ての社員が経理担当者に助けられているのです。経理の人材不足を感じたなら、それは会社全体の体制を見直すチャンス。経営の土台とも言える経理業務からの見直しを図ることで、企業全体の業務改善にもつながるでしょう。

この記事を書いた人

SAL編集部
SAL編集部 SAL henshubu

株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。