remodooo!在宅チームで最強組織を

正社員で組織を成長させることにリスクをお感じの経営者様へ
新しい組織構築の支援サービスをご提案

人手不足

深刻化する中小企業の人材不足|人手が足りない5つの原因と解決策

SAL編集部
SAL編集部
深刻化する中小企業の人材不足|人手が足りない5つの原因と解決策

中小企業の経営するにあたって「人材不足が発生する原因を知りたい」「人材不足を解決するにはどのようにしたらいいのかな?」と思っている方は多くいるかと思います。

本記事では、人手が足りない原因や解決策、人材不足を解消した事例について紹介します。

「固定費」をかけない新しい経営体制って?

「在宅チーム構築支援」のホワイトペーパー

データが示す中小企業の人材不足の深刻化

建築業

まずは参考リンクをもとに、中小企業の人材不足感を見てみましょう。

中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」を用いて従業員数過不足DIの推移を確認すると、全ての業種において2009年をピークにして2013年には「不足」と答えた企業の割合が、多くなっていることがわかります。

特に、サービス業や建設業といった業種においては、人材不足感が顕著に表れています。

参考:深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命

中小企業が人材不足に悩む原因

虫眼鏡を持ったビジネスパーソン

中小企業が人材不足に悩む原因として、以下の5つが挙げられます。

  1. 求人倍率が高い
  2. 優秀な人材が定着しない
  3. 生産年齢人口の減少
  4. 女性の採用に積極的でない
  5. シニア世代の採用に積極的でない

それぞれ詳しく説明します。

求人倍率が高い

中小企業が人材不足に悩む原因として、求人倍率の高さが挙げられます。

まず「有効求人倍率」とは、有効求人数を有効求職数で割った数値です。算出した数値が1.0に近ければ近いほど、そこまで人材不足の状況が深刻ではないということがわかります。

この数値が大きいほど、人材不足と見ることができます。例えば、有効求人倍率が5.0であった場合、5人募集しているところに1人が応募するといった見方となります。

求人倍率が高い企業ほど、人手不足感は進む傾向にあるでしょう。

優秀な人材が定着しない

中小企業が人材不足に悩む原因として、優秀な人材が定着しないことが挙げられます。求人市場から、優秀な人材が減っているのも事実といえるでしょう。

その理由として、以下の要因が考えられます。

  • 労働人口の減少化
  • 優秀な人材が転職しない
  • 優秀な人材を企業が手放さない

優秀な人材は少なくなっていますが、決して0ではありません。優秀な人材が集まる転職サイトやマッチングサービスなどを活用し、好条件を提示すれば、獲得しやすくなるでしょう。

また、人材不足の中でもフリーランスや副業人材の活用は欠かせません。

関連記事
優秀な人はこれが理由で辞める!退職の兆候と対策を徹底解説
優秀な人はこれが理由で辞める!退職の兆候と対策を徹底解説

生産年齢人口の減少

中小企業が人材不足に悩む原因として、生産年齢人口が減少していることが挙げられます。生産年齢人口(働ける年齢人口)は、現在15歳〜64歳とされています。人口減少に伴い、生産年齢人口も急激に減少していくでしょう。

しかし実際は、70歳〜80歳でも勤務継続している方は多く、「今後の長寿化によってはさらに増加するだろう」という予想もあります。

現在は生産年齢人口の上限を「64歳」と設定されていますが、今後年齢の引き上げがあれば、減少幅は緩やかになるでしょう。

女性の採用に積極的でない

中小企業が人材不足に悩む原因として、女性の採用に積極的ではないことが挙げられます。ただ単に女性雇用率を上げるだけではなく、出世率の向上やキャリアアップ制度の充実を目指すことが大切です。

特に女性は出産・育児などで労働の機会を見失いがちです。こういった機会を踏まえて、プライベートと仕事を両立させてキャリアアップが叶えば、女性が持っている経験やスキルをじゅうぶんに活かせるでしょう。

女性の採用により、企業の人手不足問題が解決出来るかもしれません。

シニア世代の採用に積極的でない

中小企業の人材不足に悩む原因として、シニア世代の採用に積極的ではないことが挙げられます。終身雇用を導入している企業では、65歳を定年としているところがほとんどかと思います。

しかし、経験や知識が豊富な人材を、定年退職させてしまうのは、もったいない場合もあるでしょう。まだ働ける人材であれば、定年退職してもさまざまな形態で再雇用することができるため、自社が抱えている課題について解決の道が見えてくるかもしれません。

人材不足を解消するための対策

青空と道路

人材不足を解消するための対策を紹介します。

採用計画・活動の見直し

人材不足を解消するためには、採用計画・活動の見直しを行いましょう。間違った採用活動をしてしまうと、ミスマッチや人材不足を起こす大きな要因となります。

現状で「3年以内の離職率が高い」「従業員の生産性が低い」といった状況が見受けられる場合には、採用計画や採用活動を見直すのも効果的です。

採用活動の視野を広げて、さまざまな人材を採用するのもおすすめです。経験豊富で多くの知識を持つ高齢者層や、異なる文化で育った外国人など、違った視点を持つ人材が入ることで、自社の抱える課題が解決することもあります。

労働環境・社内制度の見直し

人材不足を解消するためには、労働環境・社内制度の見直しを行いましょう。働き方改革をすることで、生産性向上に結びつき、定着率の良い職場づくりへの近道となります。

従業員全体の制度を見直すのも必要ですが、重きを置きたいのが女性やシニア層の働きやすい環境づくりです。しかし、新たな人材を受け入れるために労働環境や社内制度の整備は必要ですが、いきなり変えると、現場を混乱させてしまう場合があります。

少しずつ整備を進めながらロードマップを作り、既存従業員が受け入れることのできる人材の幅を広げていくことが大切です。

中小企業がとるべき人材不足の解決策

解決策の提示

中小企業がとるべき人材不足の解決策として、以下の4つが挙げられます。

  • SNSでのブランディング
  • リファラル採用
  • ダイレクトリクルーティング
  • 採用サイト

それぞれ詳しく説明します。

SNSでのブランディング

中小企業がとるべき人材不足の解決策として、SNSでのブランディングに力を入れましょう。採用ターゲットとなる若者層はSNSの利用率が高く、情報収集が利用目的となっています。

若者層の求職者は企業情報をSNSを通じて得ていることが多いことから、採用活動における有効的な手段であるといえるでしょう。

リファラル採用

中小企業がとるべき人材不足の解決策として、リファラル採用が有効的です。リファラル(referral)とは、「紹介」という意味になります。

紹介制度が用いられている理由として、LINEや FacebookといったSNSによって多くの人とつながったままの状態になっています。この状態が続いていることで、紹介できる人の範囲が広がり、採用の幅が広がったといえます。

紹介者と紹介される人は長い関係を持っているため、信憑性は高いです。短い選考期間で会社がだまされることもなく、入社後も知り合いが社内にいるため働きやすく、退職予防につながるといったお互いにメリットがある採用手法です。

ダイレクトリクルーティング

中小企業がとるべき人材不足の解決策として、ダイレクトリクルーティングがあります。求める人材を獲得するために企業が積極的に動くことから「攻めの採用」として注目されています。

現在の日本では生産性の低さや少子高齢化に伴う人材不足によって、人材獲得競争は激しくなっています。そんな現代において、従来の採用方法では優秀な人材を採用するのが難しく、ダイレクトリクルーティングは新しい方法として近年注目されているのです。

また、採用にかかるコストや時間が年々増加しているなかで、ダイレクトリクルーティングはコストを抑えられるといった点もメリットといえるでしょう。大量採用ではなく自社に合った人材だけを採用したいと考える企業に向いており、採用後のミスマッチも防げるといった点も注目すべきです。

採用サイト

中小企業がとるべき人材不足の解決策として、採用サイトの活用が挙げられます。採用サイトは求職者が必要とする情報を得ることができるため、求職者に対して強くアピールできます。

また、スピーディーにサイトを作成でき、初期費用も抑えられるため、企業側としてもメリットがあります。

「求職者に自社をよく知ってもらいたい」「ここで働きたいと思ってもらいたい」と思ってもらうためにも、細かいコンテンツの採用サイトを作るべきといえるでしょう。

中小企業が人材不足を解消した事例

本と電球

実際に中小企業が人材不足を解消した事例を紹介します。

旭電気株式会社

〈親会社の海外移転をきっかけに新事業に着手〉

親会社から海外進出を打診されるも、国内生産にこだわり製品構成を転換。
新たに制御盤の設計・製造に取り組む。

〈既存の女性社員の能力向上が課題に〉

それまで主力製品であったコイルは、工程の大半が細かい手作業であったため女性の適性が高く女性従業員が多数存在。しかし、新たに着手した制御盤の設計には電気の専門知識が不可欠。女性従業員から雇用不安が芽生えた。

〈取り組み内容や仕組み〉

教育体制の構築
新事業の業務知識習得のために、一日に一つずつ専門知識を身につける「ワンポイントレッスン」を実施し、業務上のノウハウ習得・スキル向上を促進する体制を構築。

〈女性が仕事を継続しやすい人事制度の整備〉

妊娠中の配置転換も含めた配慮、育児休業期間中の代替要員の確保、育児休業中の社員への情報提供、短時間勤務制度を整備。

その他にも、フレックスタイム、半日休暇、誕生日休暇制度、ノー残業デー、年次有給休暇の取得促進等、女性が仕事を継続しやすい人事制度を整備。

〈機械化・省力化の推進、仕事の担当範囲の切り分け〉

力仕事が必要な分野(圧着やねじ締め等)を改善し、治具化、機械化、省力化を推進。

エキスパート(熟練者)とサブプレーヤー(未熟練者)を組み合わせたり、作業の細分化等で、女性が従事しやすい作業工程を構築。

〈女性社員が働きやすい職場に〉

女性が働くのが当たり前という社風が形成され、多くの女性社員が男性と同様に働くことで、社内の雰囲気が良好に

教育体制と人事制度の整備により、4名の女性従業員が管理職に昇格。教育体制を構築したことによって、日々の積み重ねが重要となるものづくりの現場において、職場により長く定着することが可能に。

人材の採用、定着を図るうえで、女性が働きやすい職場との評判が広がったことが効果を発揮。

宇都宮工業株式会社

〈新たな事業領域に進出〉

平成の初め頃から、自動車関連部品の生産から、住宅関連製品の生産へ新たに進出。自動車部品を生産していた時は下請の色合いが濃かったが、住宅関連業界に進出するにあたって開発・提案型の営業を展開する必要があった。
採用方法が分からず、困っていた住宅関連製品の売上を伸ばすためには、新卒工学部系の人材が必要だったが、どのような方法で採用をしていいのか分からず、困っていた。

〈部品組付けに対応する人手が不足〉

また、住宅関連製品の製造ライン(部品組付け)を稼働させるための社員が多数必要であった。

〈取り組み内容や仕組み〉

新卒工学部系人材を採用新卒工学部系の人材に対しては、熱心に採用活動を行い、また、「自分のアイディアやデザインが採用され世の中に出ていく」という、住宅関連製品の開発業務の魅力を伝えた。

〈多様な人材への配慮〉

部品組付けラインを稼働させるため、多くの女性社員を採用。
要望を聞き、残業をしたい女性としたくない女性を分けて、ラインへの配置を実施する等の配慮。
高齢になってもスキルの高いやる気のある社員については採用する「大番頭制度」を実施。

〈“私の改善活動”運動を実施〉

 全社員に改善提案の提出を求める運動を実施。年1回成果を集計し成果に応じて賞金を出し、社員自身の成長とやる気を育んでいる。

〈売上の伸張に成功〉

開発営業などの人材確保に成功したことや、“私の改善活動”運動により、様々な部門・工程で生産性向上や、原価低減の実績を生み出したことで、売上の伸張につながった。

また、取り組みの効果により、たとえば姉が初めに入社し、その後、姉の紹介で妹が続いて入社してくるケースも多数生じた。
さらには、夫婦・親子で入社するケースも存在。

エイベックス株式会社

10年前と比較すると現在の従業員数は約4倍、売上は約5倍となったが、入社10年未満の従業員が約9割を占めており、新入社員が、入社1年未満の社員から教育を受けることや上司の目が行届かず、入社後すぐの退職が相次いだ。
結果、2012年度の離職率は13.2%となり、改善が必要であった。

〈女性社員の比率を上げたいというトップの想い〉

製造業では、女性が活躍するというイメージがなかったが、2020年までに女性の正社員比率を40%に引き上げたいというトップの想いがあった。また、パート社員の応募状況が芳しくなく、困っていた。

〈取り組みや仕組み〉

教育に重点を置き、入社1年未満の教育日を設けた入社日にはあらかじめ知っておいてもらいたい内容を「導入教育」という形式で教育を実施。
また、年3回「共育デー」という日を設け、入社1年未満の社員に必ず知っておいて欲しい製品・原価・経営理念等について教育を実施。
文理・男女・国籍を問わない採用方針を掲げ、希望する学生に実際現場で働いている文系出身の女性社員との面談を実施し、働くイメージをつけてもらった。

また、産前産後休暇・育児休暇の取得しやすさや復帰率について公共機関から認定制度を取得し、応募者にPRした。

長時間残業を防ぐため、毎週金曜日を「定時の日」として設け、さらに「多能工化」を推進。
また、日々の残業をグラフ化し、残業時間の「見える化」を行い、残業の多い人をカバーする体制を作った。

〈短時間勤務の採用を開始〉

フルタイムで募集をかけていたが、4時間から勤務できる募集をかけた。

〈離職率が低下〉

入社時の「導入教育」、年3回の「共育デー」等の実施により、2012年度は13.2%あった離職率が、2015年度では8.8%となり、2016年1月現在では、5.4%と大幅に低下した。

〈女性社員の応募も増加〉

現場で働く女性社員の声を実際に聞くことにより、文系出身でも関係なく働きたいという意欲をもった女性が増加。子育てをしながら短時間で働きたいと希望する女性の応募者が増加した。

エーゼロ株式会社

〈社長と現場をつなぐ「経営の要」を求めた〉

創業以来急成長を続けており、社内では、トップと各現場とのコミュニケーションが不足しがちとなっており、繋ぎ役として「経営の要」となる人材が必要だった。

既に社内にいる人材は既存の業務で手いっぱいとなっており、かつ、急成長している社内を支えられるような中核人材が不在のため、社内の体制整備や経営基盤の整理が進まない状況だった。

〈取り組み内容や仕組み〉

・事業と人材像の整理
 自社がこれから行っていこうとする事業と、その事業のために本当に必要とされるのはどのような人材なのかについて、株式会社日本人材機構等、外部との対話で明確にしていった。

・WEBやSNS上での情報発信
情報発信ではWEBやSNS上にて求人情報を発信し、整理した要件をより魅力的に伝えられるよう表現を行った。SNSについては、経営者自身のアカウントなどで人材募集についての情報発信を行った。中小企業庁で実施した、人材とのマッチングイベントにも参加。

・マネージャークラスの人材の確保
求める人材像を明確化して求人を行った結果、マーケティングを担当するマネジメントを行う人材と、別部門(農林水産業)のマネジメントを担当する人材をそれぞれ1名ずつ確保できた。

・人材確保による社長の負担軽減
今回マーケティング担当を採用した結果、これまで社長が担っていた業務を分担することができ、負担が軽減した。

また、社長にとって貴重な相談相手ともなっている。

参考:中小企業・小規模事業者の人手不足対応事例集

エンゲージメントの高い採用を行えるかがポイント

虫眼鏡と人

中小企業が人材不足を解決するためには、人材不足に陥ってしまう原因を見つめなおし、それに合った対策を行うことが大切です。

ぜひ本記事を参考にしていただきながら、対策や取り組みを行ってみてください。

この記事を書いた人

SAL編集部
SAL編集部 SAL henshubu

株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。