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【六元素情報システム株式会社】日本市場に特化したテスト自動化ツール『ATgo』の強みと未来のビジョン

SAL編集部
SAL編集部
【六元素情報システム株式会社】日本市場に特化したテスト自動化ツール『ATgo』の強みと未来のビジョン

六元素情報システム株式会社が提供するテスト自動化ツール【ATgo(エーティーゴー)】は、システム開発の効率化を実現し、企業の競争力向上に貢献しています。特に日本市場に特化し、従来のツールにはない特徴を備えた【ATgo】は、多くの企業に導入され、平均80%以上の工数削減を達成しました。【ATgo】を中心とした新たな挑戦について、代表取締役社長 余澤様と角田様にお話を伺いました。

【ATgo】のサービス概要について教えてください。

ATgoは、ローコードでテストを自動化し、システム開発の工数削減を実現するサービスです。
日本のITシステム開発において、全体の約3分の1がテスト工数に割かれています。これは、開発期間の長期化やコスト増大の大きな要因であり、日本全体のIT競争力に関わる社会的な課題です。
その中で私たちは、このテスト工数の削減にフォーカスすることで、開発効率の向上やコスト削減を目指しています。

主なターゲット層について教えてください。

ターゲットは大きく2種類に分かれます。

1つ目は、SIer企業です。たとえば、NRIや日立のような大手企業は自社のサービスシステムや大規模な開発案件を持っており、テスト作業が膨大になるため、私たちのサービスが適しています。

2つ目はエンドユーザー企業、特に金融機関など、不具合があったときの影響が大きい企業です。金融業界はシステムの規模が大きく、品質への要求も非常に高いため、膨大なテスト工数の削減が課題です。これらの企業に向けて、当社のサービスを提供しています。

SIer企業はイメージしていましたが、エンドユーザー企業もターゲットに入るのですか?

もちろんシステム開発側でも使用しますが、特に重要なのは「テスト工数削減のニーズがどこにあるか」という点です。
日本のシステム開発には、エンドユーザー、一次請け、再委託といった構造があります。一部の中小企業や再委託の会社は、いわゆる「人月型ビジネス」で利益を出しているため、テスト工数削減へのインセンティブが少ないこともあります。
その一方で、本当にコスト削減を求めるエンドユーザー企業や効率化を重視するSIer企業に対して、このサービスを提供しています。結果として、より多くの企業が高い品質を維持しながら効率的な開発ができるようになることを目指しています。

実際に【ATgo】を導入した企業の数や効果について教えていただけますか?

現在、数十社に導入いただいており、導入企業では平均して80%以上の工数削減が達成されています。プロジェクトごとに異なりますが、効果的に工数削減が進んでいます。

80%以上の工数削減とは素晴らしいですね。実際に導入された企業からはどのような反響がありましたか?

最も多く頂く喜びの声は、「効率化による作業のシンプル化」と、「テスト工数削減による利益の増加」です。自動化によって作業が迅速化し、開発期間の短縮が実現しました。
自動化による品質向上も大きなポイントで、従来ではテストしきれなかった部分を網羅的にチェックできるようになりました。

これまで【ATgo】と同じようなテスト自動化ツールを提供している企業はありましたか?

以前からテスト効率化や自動化ツールにはニーズがありましたが、ほとんどは外資系企業が提供しているものでした。しかし、これらのツールは価格が非常に高く、日本での現地サポートが十分ではないため、日本独自の開発プロセスやドキュメントの要求に適さないことが多くありました。その点、私たちは日本の企業向けに、日本発の日本に適したツールを提供している点が大きな強みです。

【ATgo】の強みは、日本市場に特化していることですね。具体的にはどのような点が他社と異なりますか?

【ATgo】には、以下のような強みがあります。

  • 日本国産・日本現地開発
    当社のツールは、完全に日本国内で開発されています。これにより、日本独自の開発プロセスやドキュメント要件に対応した仕様を実現しています。欧米系ツールとは異なり、日本の現場のニーズに即した設計が大きな特徴です。
  • 高いセキュリティ対応
    このツールはインターネット環境に依存せず、お客様の閉じられた環境内で実行可能です。特にセキュリティ要求の高い金融系システムなど、非常に厳しい環境下でも利用できるように設計されています。この点が、多くの大手企業から選ばれる理由の一つです。
  • コスト競争力
    日本国内で開発・運用を行うことで、外資系のツールと比較して料金面でも競争力を発揮しています。高品質かつコストパフォーマンスの良いソリューションを提供できる点が、私たちのサービスの魅力です。

これらの特徴により、日本のシステム開発現場で実際の課題を解決するツールとして、多くの企業にご利用いただいています。

直近でアップデートされた部分で、特に魅力的な機能はありますか?

最近では、AI技術を活用した新機能を複数リリースしました。その中でも特に注目していただきたいのは以下の3つです。

  • テストスクリプト・テストデータの自動生成機能https://atgo.rgsis.com/function/script-ai/
    テストスクリプトやテストデータの作成には多大な時間がかかることが課題でしたが、生成AIを活用してこのプロセスを自動化しました。この機能により、開発現場での作業負担を大幅に軽減できるようになりました。
  • AIによる高度な比較機能https://atgo.rgsis.com/function/image-ai/
    従来の画像ピクセル単位での比較では、ブラウザや環境の違いでわずかなズレも不一致として判定される問題がありました。新機能ではAIを活用して、コンテンツの本質的なデータを解析し、正しい内容を基準に比較を行います。この機能は、テスト精度の向上と効率化を実現し、多くのお客様から高評価をいただいています。
  • セルフヒーリング機能https://atgo.rgsis.com/function/self-healing
    テスト対象の画面に変更が加わった際、AIが自動的にテストスクリプトを修正する機能です。これにより、画面変更に伴うスクリプト修正の手間を削減し、テストの柔軟性と効率を高めます。

これらの機能強化により、テスト工程全体の効率化をさらに推進しています。今後もAIを活用して、コストのかかる工程を自動化し、お客様の課題解決に寄与したいと考えています。

御社は展示会などにも参加されているのでしょうか?

2024年は、ソフトウェア・アプリ開発、IoTなどの製品・サービスを有する企業が一堂に集結する「Japan IT Week」や、日本最大級のソフトウェア開発者のためのカンファレンスである「Developers Summit 2024 Summer」に出展しました。

【ATgo】以外にも【Rakumon(ラクモン)】や【BrainGo(ブレインゴー)】といった自社開発サービスがあると伺いました。これらについても教えていただけますでしょうか?

もちろんです。まず【Rakumon】ですが、これは事業として展開しているアプリです。日本の教育課題を解決するために開発されました。学生が分からない問題を写真に撮って送ると、プラットフォーム上の先生が24時間365日で回答してくれるサービスです。
2021年のコロナ禍で、学級閉鎖や在宅学習で質問しづらい環境にあった学生と、アルバイトが減少して困っていた大学生を繋げることで誕生しました。現在、登録生徒は約8万人、登録先生数は約8000人で、実際に活動しているのは、主に名門大学の学生を中心に構成される、厳選された約2000人です。

【BrainGo】は、最新の生成AI技術を活用したソリューションです。生成AIは非常に便利ですが、企業独自のデータを外部に出すことがセキュリティ上難しいという課題があります。【BrainGo】はその課題を解決するため、企業の独自データを用いて社内や顧客向けの問い合わせ対応やマニュアル検索を支援するシステムです。非常に新しいサービスで、企業の業務効率化に貢献できると考えています。

御社のチーム作りや従業員のモチベーション向上のために、どのような取り組みをされていますか?

六元素は「社員中心の会社」という理念を大切にし、その運営に取り組んでいます。
実際に、会社の株式の大半を社員が所有しており、利益の約3分の1をボーナスとして還元する仕組みを導入しています。これにより、社員が「自分の会社」という意識を持ち、コアメンバーを中心に高いモチベーションを維持できています。

また、社員間のコミュニケーションを深めるために、お歳暮やお土産の贈呈、社員旅行の実施、さらには社内活動への資金援助など、様々な取り組みを行っています。こうした施策を通じて、社員が安心して意欲的に働ける環境づくりを目指しています。

読者へのメッセージをいただけますか?

私たちが提供する【ATgo】や【BrainGo】はいずれも「効率化」を目指したソリューションです。【ATgo】はシステム開発のテスト工程に特化していますが、【BrainGo】は業務全般の効率化を支援しています。さらに、現在新たなプロジェクトも進行中で、システム開発全体を自動化する新しいソリューションを開発しています。

六元素が目指すのは、社会全体の課題解決に挑戦し続けることです。そのためにも、効率化をテーマに革新的なソリューションを創出し、企業や社会に貢献していきたいと考えています。

インタビュー企業
六元素情報システム株式会社:https://www.rgsis.com/

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株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。

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