【サステナブル・ラボ株式会社 】サステナビリティをデータで可視化する、プラットフォーム『TERRAST』が企業と共に目指す未来とは

【TERRAST】は、どのような事業ですか？

近年、サステナビリティに対する社会の価値観や規制が大きく変化し、その重要性が一層高まっています。例えば、企業が銀行から融資を受ける際、これまでは企業の財務、財政状況が判断材料として使われてきましたが、近年ではCO2削減に積極的な企業、女性の活躍を推進する企業、ガバナンスが強固な企業をより評価する等、ESG視点での投融資判断が増加しています。
例えば、CO2排出量や女性管理職数、再生可能エネルギー使用率、取締役会の出席率等、企業経営における非財務部分の要素をサステナビリティ情報またはESGデータ（非財務データ）と呼びます。ESG投融資には投資や融資判断の材料として企業の非財務データが必要になるため、ESGデータは今、ますます注目を浴びているのです。

そこで考案されたのが非財務データプラットフォーム【TERRAST】です。
【TERRAST】は、企業のサステナビリティに関する情報をモニタリングし、可視化したデータバンクで、企業の環境・社会・ガバナンス（ESG）に関するデータをクラウド上で一元管理し、整理、分析することができます。メインユーザーは、【TERRAST】上であらゆる企業のESGデータを見ながら投資判断や市場分析、ポートフォリオ等を作成したい金融機関や投資会社、コンサルティングファーム等プロフェッショナルファームが主になります。
また、競合他社比較や市場調査、自社のサステナビリティ経営の現在地をデータで確認したい事業会社にも使用いただくケースもあります。国内で類似した取り組みを行っている企業もありますが、私たちのサービスは、より広範なサステナビリティ情報の可視化に重点を置いており、現代のニーズにマッチしていると自負しています。

【TERRAST】を始めた背景についてお聞かせいただけますか？

当社は、「すべての経済活動をサステナブルにトランスフォームする」という理念を掲げています。これまでの社会では、収益を上げる企業が評価され、銀行や投資家からの資金が集まり、優秀な人材も惹きつけられてきました。私自身、約15年間にわたり社会起業家として活動してきましたが、当時の日本では「企業は利益を追求するもの」という考え方が主流で、収益見込みの少ない企業は銀行から融資を受けるのも困難でした。

しかし、これからの時代に新たな主役になるのは「強くて優しい企業」だと私たちは考えます。ビジネスとして収益を上げるのはもちろんですが、同時に人や社会、環境を豊かにする「優しさ」を持つ企業こそが、これからの時代に選ばれるべきだと思うのです。環境問題に取り組み、地域社会を支える企業が、銀行や消費者から評価される社会を実現したいのです。

企業の「強さ」は、財務諸表や企業データベースを通じて可視化できます。しかし、「優しさ」を適切に評価する仕組みは十分ではありません。そこで、私たちは【TERRAST】を開発しました。このツールを活用し、企業の「優しさ」を簡単かつ高度に可視化できる情報インフラを構築することで、社会の仕組みを変える後押しをしていきます。

サービスを提供する上で御社の強みは何ですか？

大きく分けてふたつあります。

1つ目の強みは、金融機関と事業会社の双方に向けたプロダクトを提供していることです。通常は、どちらか片方に特化したサービスがほとんどですが、当社は両方をカバーしています。
金融機関にはESG（環境・社会・ガバナンス）情報を活用できる【TERRAST】という非財務データプラットフォームを、事業会社には自社のサステナビリティ情報を収集・分析し、外部へ発信するための別のSaaSツールを提供しています。
導入実績として、金融機関ではメガバンクや大手機関投資家、大手証券会社など、事業会社ではオムロン、日本たばこ産業などの東証プライム上場企業で利用されております。

2つ目の強みは、ユーザー体験（UX）へのこだわりです。サステナビリティ情報は専門的で、分析にはノウハウが求められる分野ですが、当社のサービスは「トレーニングなし・知識なし」でも直感的に使える設計となっています。そのため、専門知識が少ない担当者からも「簡単に利用できる」という評価をいただいています。

サービス展開に向けた現状と今後のビジョンを教えていただけますか？

最終的な目標は、あらゆる経済活動がサステナブルに変革することです。
これまで企業の価値は、主に会社の規模や財務力で測られてきました。しかし、これからの時代は、社会的価値を生み出す力も評価の対象となるはずです。
私たちは、会社の規模や売上にとらわれず、資金調達や人材採用の際には、社会的価値が当たり前のように意識される環境をつくりたいと思っています。その意識が浸透すれば、企業の経営スタイルも変わり、社会全体にポジティブな変化をもたらすはずです。企業は自ずから自社の社会的な役割を見つめ直し、サステナビリティに関する取り組みを強化するでしょう。私たちは、そのお手伝いをしたいのです。

ちなみに、当社の従業員の約40%は外国籍で、9〜10カ国の国籍のメンバーが集まっています。日本人メンバーも海外経験が豊富で、バイリンガルが多いです。現時点で、すでに金融庁や官公庁とも連携し、海外の金融当局や中央銀行とも関係を築いていますので、海外展開も視野に入れています。日本国内での基盤を確立しながら、グローバルな視点を持ち活動していきたいですね。

それともうひとつ。御社が運営しているメディア【テラスTV】とは何ですか？

【テラスTV】は、国内唯一のサステナブル企業名鑑です。ESG（環境・社会・ガバナンス）やSDGs、サステナビリティというと世界的に見て日本は一歩遅れていると思われがちですが、実は日本が一歩リードしている部分もあります。そこで、サステナビリティに積極的に取り組む企業を可視化し、その上で企業の隠れた強みや価値を世の中に発信するためのプラットフォームを提供しようと思いました。日本の企業が持つ本来の強みを最大限に活かし、社会的な価値を高める支援をしていきたいと考えています。

このサービスを通じて、各々の企業が自身の「優しさ」や「独自性」を伝えられることを目指します。【テラスTV】の取り組みはすでに試験的に進められており、今後さらに拡大していく予定です。視聴者ターゲット層としては、求職者や取引先を検討している企業を想定しています。求職者が知りたい情報をしっかり届けることで、企業と求職者のマッチング精度を高めたいと考えています。

【テラスTV】を検討するクライアントへ向けたメッセージをお願いできますか？

皆様に伝えたいのは、「サステナビリティ」や「ESG（環境・社会・ガバナンス）経営」は義務ではなく、企業の競争力を高める武器になり得るということです。現代のビジネス環境では、どの企業も急速なテクノロジーの進化によって差別化が難しくなっています。価格競争に陥ると、利益を確保するのが難しくなり、事業の成長が阻害されてしまうこともあります。
しかし、会社の社会的価値や環境的価値を伝えることで、競争を有利に進めることができます。どんな企業にも「らしさ」がありますが、それを自社内で明確に理解し、外部に伝えるのは意外と難しいものです。「テラスTV」を活用すれば、金融機関や求職者、社会全体に向けて、自社の魅力を適切に発信できます。結果的に、より良い関係を築き、企業価値を高めることにつながるはずです。この考えに共感いただける企業様と手を取り合って躍進していきたいですね。

現在、採用活動をされていらっしゃいますが、どんな方に応募していただきたいですか？

私たちは、大手金融機関や上場企業、海外の中央銀行などと連携しながら事業を進めています。同時に日本を代表するベンチャーキャピタルからの投資も受けています。
根底にあるのは「今の経済社会のあり方を変えたい」「社会を良い方向に少しでも動かしたい」という強い思いです。

現在、当社ではこのビジョンに共感し、ともに挑戦する仲間を募集しています。特に、金融機関出身者、データビジネス・データサイエンスの経験者、BtoBの提案営業やコンサル経験者は即戦力として活躍可能です。働き方はフルリモート・ハイブリット制なので、本社のある東京以外の地域から働いている従業員もいます。スタートアップならではのダイナミズムを楽しみながら、年功序列のない環境で入社初日から挑戦できます。成長したい方、社会を変えたい方のご応募をお待ちしています！

インタビュー企業
サステナブル・ラボ株式会社：https://suslab.net/
【TERRAST】について：https://www.terrast.biz/terrast
【テラスTV】について： https://www.terrasttv.biz/