【ObotAI株式会社】外国人労働者と企業を繋ぐAI技術『チャットブリッジ』業務効率化と定着率向上を支える新たなサービス

【チャットブリッジ】は、外国人労働者と企業の円滑なコミュニケーションを支援するAIの多文化共生ソリューションです。特定技能外国人や技能実習生を受け入れる企業に向けたサービスであり、言語や文化の壁を取り除き、職場での相互理解を深めることで、外国人労働者の定着率向上を目指します。今回は、代表の北見氏に【チャットブリッジ】の魅力や今後の展望について伺いました。
【チャットブリッジ】の全体像を教えていただけますか?
【チャットブリッジ】は、外国人労働者と企業を繋ぐためにAIを活用した多文化共生ソリューションです。言語や文化の壁を取り払い、外国人労働者の定着率を向上させることを目的としています。
具体的には、LINEやメッセンジャー、Webなどのプラットフォーム上で活用できる「文化翻訳」機能や企業の業務知識や資格試験などを学べる「スキルアップチャット」、翻訳履歴から自動で多言語のFAQサイトを作成する「ObotFAQ」があります。これらの3つのAIソリューションを提供し、日本語がまだあまり話せない特定技能外国人や技能実習生を受け入れる企業様向けに、言語や文化の壁を超えた円滑なコミュニケーションを実現するためのサービスを展開しています。
これまで、人材紹介やビザ申請といったサポートは充実していましたが、採用後の十分なサポートが不足していました。そこで、【チャットブリッジ】は、外国人労働者と企業とのコミュニケーションを円滑にすることで、受け入れ後に生じる課題やトラブルを解決しやすくするために開発しました。
「文化翻訳」の特徴を教えていただけますか?
【チャットブリッジ】には、AIによる「文化翻訳」を活用し、通常の翻訳サービスとは違い、補いきれない細かなニュアンスまで正確に伝えることが可能です。つまり、AIが文化背景や企業特有のルール、業界用語を学習し、解説付きで翻訳を行う企業特化の翻訳サービスです。
例えば、日本には「食事介助」や「有給休暇」など、外国にはない業界特有の言葉があります。業務マニュアルを翻訳する際は、単なる言葉の置き換えではなく、背景や意図を理解した上で訳すことで、誤解を防ぎ、円滑なコミュニケーションにつながります。
また、特別なアプリのインストールは不要で、企業が普段使用しているLINE(※)グループに【チャットブリッジ】を追加するだけですぐに利用できます。そのため、導入のハードルが低く、即座に活用できる点が大きなメリットになります。
※音声のリアルタイム翻訳「Minutz」は特定技能・技能実習生とのコミュニケーションに特化した形で機能を追加し、お手持ちのiphone、ipadでも手軽にご利用頂けます。
料金体系はどのようになっていますか?
価格は非常にリーズナブルに設定しており、1人あたり月額980円です。例えば、外国人労働者を10人採用した場合、月額9,800円で翻訳サービスを利用できます。さらに、FAQや音声機能などさまざまなオプションがありますが、それらを追加したとしても十分コスト面で導入しやすいサービスとなっています。
この事業を始めようと思ったきっかけを教えていただけますか?
私自身、30年以上海外で働いていた経験があり、文化や言語の壁によるコミュニケーションの難しさを痛感していました。近年、日本では急激に外国人労働者が増加していますが、外国人労働者は孤立しやすく、定着率の低さが大きな課題となっています。
この問題を解決したいという思いから、【チャットブリッジ】を開発しました。単なる翻訳ツールではなく、外国人労働者が職場に溶け込みやすくするためのツールとして設計しています。
非常に温かく優しいサービスだと感じます。どのように離職防止に貢献するのでしょうか?
そうですね。結局、一番の問題は外国人労働者の孤立感や疎外感が離職率の高さに繋がっていると感じます。言語や文化の壁を極力なくすことで、外国人労働者の孤立感を軽減し、企業に馴染みやすい環境を提供します。そうすることで、離職防止にもつながると考えます。
また、スムーズなコミュニケーションが実現することで、企業側の負担も軽減されますので、業務の効率化も図れると考えています。
このシステムは御社独自で開発されたものですか?
はい。当社のAIエンジニアが開発を担当しました。サービスのアイデア自体は、私の海外での経験から生まれましたが、システムの構築や技術的な部分は、エンジニアチームが中心となって開発を進めました。
社会的背景も相まって【チャットブリッジ】のアイデアが生まれたのですか?
そうですね。日本では、社会問題である少子高齢化に伴い外国人労働者が急増していますが、令和5年末の在留外国人数は、過去最高の341万0992人(前年比10.9%増)になりました。その多くはベトナムなど東南アジア諸国からの労働者で、日本語が十分に話せないケースも少なくありません。
また、法律改正により技能実習制度が廃止され、新制度「育成就労制度」が導入されます。この新制度によって、外国人労働者の「転職」が可能になるため、労働環境が悪い場合は早期離職のリスクが高まることが懸念されています。そのため、言語の壁による弊害を取り除き、外国人労働者の不安を軽減することが急務となっています。
こうした背景と私自身の海外での体験から、生成AIを活用した課題解決ソリューションとして開発したのが【チャットブリッジ】です。
リリース後の実績について教えてください。
最初は、管理団体や登録支援機関に提案していましたが、自分たちの仕事が奪われるのではないかという警戒から導入には至りませんでした。
しかし、受け入れ企業様に営業活動を行ったところ、現在5社の企業様に導入していただいています。
今は利便性をアピールし、認知を広げる努力を続けています。最近では、川崎市が主催する自治体のビジネスコンテストで「チャットブリッジ」を紹介し、賞を受賞しました。こうした活動を通じて、より多くの企業様にサービスを知ってもらうことを目指しています。
最後に、このサービスを通じて伝えたいメッセージはありますか?
日本の労働人口は減少しており、今後ますます外国人労働者の存在が重要になります。
【チャットブリッジ】は、単なる翻訳ツールではなく、AIが企業のナレッジを学習することで企業と外国人労働者の関係をより良いものにし、多文化共生社会の実現を後押しするサービスです。
外国人労働者が日本で安心して働ける環境を整えるために、ぜひ多くの企業様に活用していただきたいと思います。
インタビュー企業
株式会社ObotAI :https://obot-ai.com/