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人材育成

人材育成の目標の立て方|職種別の具体的な目標例を一挙に紹介

SAL編集部
SAL編集部
人材育成の目標の立て方|職種別の具体的な目標例を一挙に紹介

材育成を成功させるためには、明確な目標が不可欠です。しかし、目標の立て方が分からない場合もあるでしょう。
そこで今回の記事では、人材育成の目標の立て方について詳しく解説します。職種別に具体的な目標例も紹介しているので、自社の目標を立てる時の参考にして下さい。

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人材育成の目標の立て方

目標に向かって進む人たち

人材育成の目標は、「定量目標」と「定性目標」の2つを立てる必要があります。どちらかに偏ってしまうと、目標の効果がなくなってしまうため注意が必要です。下記では、それぞれの立て方を詳しく解説します。

数値化できる定量目標を立てる

定量目標とは、数値を使って表す目標のことです。目標達成に向けた行動が明確になるため、人材育成の計画が立てやすくなる点がメリットとして挙げられます。また、達成できたのかどうか一目で分かる点もメリットと言えます。

その一方で、数字で全て判断するため、プロセスが評価されない点がデメリットです。結果だけで評価されるので、従業員のモチベーションが下がってしまう可能性があります。

数値化できない定性目標をたてる

定性目標とは、数値を使わずに表す目標のことです。目標が立てやすく、モチベーションが高まる点がメリットとして挙げられます。その一方で、客観性が欠けやすく、達成するための行動が人によって異なる点がデメリットと言えます。目標を設定する時は、長期的な目標だけでなく、短期間で達成できそうな目標も設定する必要があります。

目標設定・管理の重要性

目標管理の文字とミニチュアの椅子

人材育成において、目標設定・管理は不可欠です。理由は2つあります。1つ目は、ゴールが明確になることです。目指すべき場所が曖昧だと、人材育成の効果は半減してしまいます。また、ゴールに辿り着くまでのモチベーション向上にも繋がるでしょう。

2つ目は、目標と現状のギャップを作れることです。ギャップができることによって、目標を達成するために何が必要か明確になります。目標達成までの道のりが逆算すれば簡単に分かるので、人材育成の計画に役立つでしょう。目標を設定する際は、期日を明確にすることが大切です。

期日が明確に決まっていないと、危機感がなくなってしまいます。期日が決まっていると後回しにすることがなくなるので、目標設定では量だけでなく、期日もしっかり考慮することが欠かせません。

【職種別】人材育成における目標の具体例

SMARTの文字

下記では、職種別に人材育成における目標の具体例を紹介します。目標を設定する際は、SMARTの法則に則る必要があります。

SMARTの法則とは、「Specific(具体的か)・Measurable(測定可能か)・Achievable(達成可能か)・Relevant(上位目標にリンクしているか)・Time-bound(期日は明確か)」の頭文字を取った造語です。

SMART法則に則した目標は以下を満たす必要があります。

  • 誰が見ても理解できるような具体的で明確な目標
  • 計測可能で、達成の可否や進捗を第三者に共有できる目標
  • 現実的に達成できる目標
  • 上位目標の実現に貢献している目標
  • 期限が決まっている目標

職種関係なく、ビジネスにおいて目標を設定する際はSMARTの法則を意識することが大切です。

営業部門

営業部門の場合、チーム目標に沿って個人目標を設定することが多いです。ビジネスにおいて、営業は企業の売上に直結するため、他の部署よりも営業部門のチーム目標や個人目標の設定は重要と言えます。また、目標を設定する際は、チームでの目標と個人目標にズレが生じないように注意が必要です。

定量目標

  • 毎朝30分のロープレを行うことによって、チームの受注率を20%引き上げて、売り上げ1000万円にする
  • 来期までに1日の商談数を5件以上とし、個人売上を300万円伸ばす
  • 今期の最終月までに、過去1年以上前に失注した企業に対して1日30件以上メールを送り、売上を200万円伸ばす

定性目標

  • 宣伝・広告形態を見直して、新規顧客を獲得する
  • 顧客へのレスポンスを可能な限り早くする
  • 今後伸びそうな市場を新しく開拓する

制作部門

制作部門では、雑誌や書籍、あるいはWEBサイトなどを制作します。企画の立案から始まり、執筆者やデザイナーの手配をはじめ、取材のアポイントや立ち会いも業務の一つです。その他、営業担当者との企画のすり合わせなど、制作以外の業務も幅広くあります。

定量目標

  • 6ヶ月後までに、案件ごとのWEBマーケティング担当者とのコミュニケーションを増やし、売上達成率を70%にする
  • 月末までにホームページのリニューアルを行い、年間の取引先数を10件増やす
  • 今期の最終月までにデザインソフトの使用率を調査し、年間の経費を5%削減する

定性目標

  • WEBデザインに関する書籍を読み、来年のWEBサイト制作受注数を10件増やす
  • 会社にある過去の案件を確認し、1案件あたりにかかる時間を削減する
  • クライアントに対するヒアリングを密に行い、デザインの手取り率を下げる

開発部門

ITは日々新しい技術が生まれているため、その都度目標を設定する必要があります。目標を設定することで、スキルアップに繋がるからです。スキルを兼ね備えた人材であれば、市場価値の高いエンジニアとして活躍できます。

定量目標

  • 過去のプロジェクトの仕組みを再利用し、1プロジェクトあたりの稼働時間を10%減らす
  • 月に1回勉強会や講座に参加し、1年後までに新しい言語を10つ習得する
  • 今期の最終月までに、工程日数短縮のプロセスを分析し、金型造りにかかる日数を20日以下にする

定性目標

  • チームメンバーのコミュニケーションを活性化させ、納期達成率を上げる
  • 見込み顧客への営業同行件数を増やすと共に、受注率も上げる
  • デザインに関するスキルや知識を向上させ、企画の通過率を上げる

総務・経理部門

総務と経理は同じ部署で行うことが多いため、事務職と一括りにされることもあります。総務は会社運営にまつわる調整や企画を行い、経理はお金に関することを維持管理します。

定量目標

  • コピー用紙の節約を呼びかけ、年度末までに前年比10%減を実現する
  • 各部署のマネージャーに声がけを徹底して行い、月の平均残業時間を20時間減らす
  • 1年後までに会計ソフトのマニュアルを作成・運用し、経理課全体の休日出勤日数を0にする

定性目標

  • 講座や勉強会に参加し、総務部の従業員全員がマイナンバー実務検定を取得する
  • 社内全体でアンケートを実施し、社員の福利厚生に対する満足度を上げる
  • 決算報告書の作成に費やす時間を短くする

マーケティング部門

マーケティングにおける目標には、売上高や利益額、利益率、認知度、ブランド力向上などが挙げられます。マーケティングは企業の利益に直結するため、目標設定は非常に重要です。

定量目標

  • リスティング広告を今月末までに出稿し、3ヶ月間のLP経由での売上を20%増やす
  • Instagramで1日に1件投稿し、来月末までにフォロワー1000人増やす
  • LPをリニューアルし、今期の最終月までに主要製品のCV率を20%向上させる

定性目標

  • 今期末までに競合他社を分析し、商品掲載メディアの月間pv数を増やす
  • 自社メディアの記事を定期的に更新し、今期の最終月までに上位表示される記事数を増やす
  • SEO対策を行い、月のセッション数を増やす

管理職の人材育成における考え方

キーボードの上にビジネスマンのミニチュア達と人材育成の文字

人材育成の要は管理職にあるため、管理職の人材育成を徹底することで、部下の人材育成にも繋がります。管理職のパフォーマンスが悪いと、部下が不信感や不満を抱く原因となり、モチベーション低下や最悪の場合、離職に繋がってしまう可能性もあります。

管理職の人材育成を行う際は、まず自らの役割や影響力をしっかり理解させることが大切です。管理職と一口に言っても、部署や職種によって役割が異なります。人材育成の成果を高めるために、方向性を明確にしましょう。

また、管理職に任命する前に管理職候補者として経験を積ませるのも一つの手です。リーダーや課長補佐として、進捗管理や部下の人材育成など管理職が担う業務の一部を遂行させます。昇格前に経験を積ませることは、管理職となる人材の成長に繋がるだけでなく、管理職に適している人材であるか見極める機会にもなります。

若手社員の人材育成における考え方

面接を受ける就活生の男女

若手社員を育成する際は、まず一人一人のスキルや能力をを把握する必要があります。なぜなら、人材育成は教える人ではなく、教えられる人に合わせて進めるのが大原則だからです。そのほか、人柄も把握しておくとフィードバックする際やモチベーションを高める際に役立ちます。

また、自分の成功談を部下に押し付けるのは避けましょう。ビジネスにおいて環境変化は激しいため、そのやり方が必ずしも合っているとは言い切れません。ただし、成功談が無意味ということではないので、共有する場合は成功したポイントも含めて分かりやすく教えてあげると良いです。

若手社員の意見も積極的に取り入れると、信頼関係を築けるようになります。信頼関係は人材育成を成功させるために欠かせないものです。ただし、簡単に築けるものではないので、日頃からコミュニケーションを取るよう心掛けることが大切です。

人材育成は目標の立て方がポイント

電球を手で持つ

人材育成には目標の設定が不可欠ですが、闇雲に立てても目標の効果は得られません。目標はしっかりポイントを押さえて立てる必要があります。目標を立てる時は、定量的な目標と定性的な目標のバランスが大切です。

どちらかに偏ってしまうと、モチベーションの低下や目標未達成に繋がりやすくなります。今回の記事を参考にして、「現実的であること」「具体的であること」を意識しながら、目標を立ててみましょう。

この記事を書いた人

SAL編集部
SAL編集部 SAL henshubu

株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。