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人材育成

総務業務を効率化する方法をわかりやすく解説!

SAL編集部
SAL編集部
総務業務を効率化する方法をわかりやすく解説!

会社の業績や社員の働きを、日々支えている総務の業務内容は多岐にわたり、また、それを少ない人員でこなしているため、一人が抱える業務量が多くなります。加えて、少子高齢化や働き方の多様化で人手不足問題はどんどん加速しており、どの業種においても総務業務の効率化は優先度の高い取り組みとなっています。

本記事では、総務が抱える課題とは何か、効率化の方法やメリット・デメリットの解説、効率化の成功事例や、失敗しないためのポイントを紹介していきます。

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総務業務で抱える課題

なぜ総務業務の効率化が求められるのか、それは総務が以下のような問題を抱えやすいことが原因となっています。

スケジュール管理が難しい

企業によっては、保険などの労務関係や経理業務も総務が兼任している場合もあり、年間を通してさまざまなイベントに追われる総務部門。必要な手続きが同じ月に重なることも多く、多忙な中でうっかり大事な処理を忘れてしまうようなことがあっては社内外からの信用を失ってしまうかもしれません。予定通りに作業を消化できているかを知るためにはスケジュールの策定が必要ですが、とにかく業務の幅が広く、突発的な作業依頼も多いため、スケジュール管理の難易度が高くなってしまうのです。

業務が属人化する

冒頭でも述べましたが、基本的に総務は少ない人員で回している企業がほとんどで、業務の種類も多く一人当たりの担当する作業量が膨大です。そのような中ではマニュアル作成も思うように進まず、業務が属人化しやすくなります。

総務業務を効率化する方法

ここからは、実際に総務業務の効率化を目指すための方法を紹介していきます。今すぐ実行に移せるものから、費用が必要なものまでさまざまですが、ぜひ自社に合った方法を検討してみてくださいね。

現状の課題を洗い出す

総務業務の効率化を図る前に、業務の「見える化」を行い、業務課題を洗い出す必要があります。業務が多岐にわたる総務では、属人化やブラックボックス化に陥りやすいため、業務内容や担当者などを一覧にし、業務の進行具合やデータの保存場所を共有しておくことで、属人的になっている業務をなくし、「無駄な業務はないか」、「人員配置は適切か」、「効率的に業務を進めるにはどうすれば良いか」といった課題点をあぶり出すことができます。

改善策の実施

業務の「見える化」を行い、浮かび上がった問題点を「ECRS(イクルス)」という改善4原則のフレームワークを用いて改善していきます。
「ECRS(イクルス)」は以下の頭文字を組み合わせたもので、それぞれの具体例を見ていきましょう。

E:Eliminate(排除する)

日々行っている業務の中で、廃止したり省略したりできる部分はないかを検討し、仕事のスリム化を図る施策です。あまり重要ではない報告書の提出作業や、形式的な会議などをなくしていくことで、効率化が図れます。すぐにでも取り組める施策ですが、その効果は非常に高いです。

C:Combine(組み合わせる)

これまで別々の部署で行っていた類似業務をひとつにまとめたり、部署ごと統合したりする施策で、どちらか一方の作業を減らすことになるため、Eliminate(排除する)と同様に、手間をかけずに高い改善効果を得られます。

R:Rearrange(再配置する)

業務フローの見直しや、適材適所への人員配置を行うことです。Eliminate(排除する)や、Combine(組み合わせる)と比較すると、やや手間のかかる施策ですが、再配置に成功すれば、長期的な業務改善につながります。

S:Simplify(簡素化する)

Eliminate(排除する)や、Combine(組み合わせる)のどちらも実行することが難しかった場合、業務の手順をなんとかして簡素化できないかを検討します。ITツールを駆使することで、シンプル且つ正確な作業内容への改善が期待できます。

ITツールを活用する

経費計算や文書管理、来客応対など、総務に関わる業務の多くは専用のツールによる自動化が可能です。ITツールの導入で業務の自動化をすすめることで、業務効率が格段にアップし、ヒューマンエラーも発生しにくくなります。

アウトソーシングを活用する

人手不足解消の手段としてよく用いられるアウトソーシングは、伝票や文書の整理などのルーチンワークが多い総務業務の効率化を図るためにも有用です。BPOサービスなどを活用して専門家に業務プロセスを一括依頼することにより、ミスを未然に防ぐことができたり、適切な改善提案まで行ってくれるため、効率化に加えて、仕事のクオリティーも格段にアップします。

総務業務を効率化するメリット

上記の方法で総務業務の効率化を図るためには、取り組む為の時間や人手、ツールの導入費用など、ある程度の負担が必要になりますが、それでも効率化を進めるべきなのは、以下のようなメリットがあるからです。

  • コスト削減につながる
  • 新規事業を開拓できる

それぞれ詳しく解説していきましょう。

コスト削減につながる

業務を効率化するということは、業務上の「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、生産性を向上させることです。総務の業務は他部署の業務に比べてITツールも種類が豊富で、自動化やペーパーレス化に移行しやすく、アウトソーシングを請け負う企業も多くあります。これらをうまく活用し効率化に成功すれば、時間外労働も減りますし、さらなる業務改善に注力できるようになり、コストの削減につながります。

新規事業を開拓できる

前述の「ムリ・ムダ・ムラ」の削減に成功すれば、時間にも人手にも余裕が生まれ、新たな施策に着手しやすくなります。企業全体のサポートを担っている総務部門であるからこその着眼点で、企業の利益につながるような事業の提案ができるようになり、社員のモチベーションアップも期待できます。

総務業務を効率化させた事例

前述の「総務業務を効率化する方法」を実践し、総務業務の効率化に成功した企業を2社紹介していきます。

「リリカラ株式会社」は受付ツールの導入で作業効率アップ

カーテンや床材の製造・販売、オフィスのリノベーションなどを手がける「リリカラ」は、新型コロナの感染対策や、来客対応の効率化を目的として、タブレット端末を用いた受付ツールを導入しました。これまで作業の中断や、会議へ参加できないなどの原因となっていた受付電話が鳴らなくなり、取次業務が激減したことで、配送業者への対応も含め、部署での対応は全体の50%程度にまで減少。安心感や時間の余裕が生まれたことで、社内における働き方改革が一気に進んだそうです。

「株式会社一休」はアウトソーシングでミスを防ぐことに成功

「こころに贅沢させよう」をコンセプトに、ワンランク上の宿やレストランなどの予約サイトを運営する「一休」では、給与等の計算ミスをどうしても防ぐことができず、給与計算における人為的ミスの発生で、社員からの総務への信頼を損なうのではないかとの懸念がありました。そこで、スタッフの給与計算業務を始め、社会保険など労務関係の申請を全て専門家にアウトソーシングすることで、ミスや書類の不備を未然に防ぐことができるようになったと言います。また、定型業務に手を取られることがなくなったため、自社の社員にしかできないコア業務に注力できるようになったようです。

総務業務を効率化する際の注意点

総務業務の効率化を進めるにあたって、注意すべきポイントがいくつかあります。

  • 一度に複数のタスクをこなそうとして全ての作業が中途半端に
  • スピードを優先し、クオリティーが落ちる
  • 効率化に対応できる体制が整っていない
  • 導入したツールが自社の業務プロセスに合わず定着しない

これらの失敗例をもとに注意点の解説をしていきます。

一度に複数のタスクをこなそうとして全ての作業が中途半端に

効率化を意識しすぎるあまり、マルチタスクに作業をこなそうとしてしまい、結果的にどのタスクも終わらない状況に陥ることがあります。
そのような事態を避けるには、担当者のスキルと使用するツールなどから作業完了時間の概算を出し、無理なく作業を進められるように業務を割り振る必要があります。

スピードを優先し、クオリティーが落ちる

だらだらと仕事をするよりは、当然スピーディーな仕事ぶりのほうが好感が持てますし、早く作業が終われば次の作業を前倒しでき効率的です。しかし、速さを求めるあまり、仕事の質を落としてしまう場合もあります。お金や保険を扱う仕事では、ひとつのミスが重大な過失につながることもあるため、まずはより確実に正確な作業ができるよう、十分な作業時間の確保が必要です。

効率化に対応できる体制が整っていない

効率化を行うにしても準備は必要です。例えば、業務量が減ったり人手が増えたりしているわけでもないのに、突然残業を規制し社員全員を定時で帰らせるようにしたところで、表面上は時間外労働の削減に成功しているように見えますが、社員が終わらなかった仕事を家に持ち帰って作業してしまう可能性があります。

導入したツールが自社の業務プロセスに合わず定着しない

テレビCMでよく見かける企業や、ホームページで「シェアNo1」と謳っている企業など、とにかく人気の高いツールを導入しておけばよいのだろうと思いますか?もちろん多くの会社で使われているツールなので良い物であることは間違いないのですが、それよりも、自社の業務プロセスに見合っているか、実際の業務に当たる担当者が扱えるかどうかということが重要であり、そこを無視して選んでしまうと、定着しないどころが、ツールを使用した方が作業効率が落ちるなんてことにもなりかねません。

総務業務を効率化させよう

総務はとても忙しい部署ですから、効率化を始めるタイミングも難しいかもしれません。
まずは業務の「見える化」からスタートし、無理なく始められるところから改善に取り組んでいきましょう。
また、業務の改善は実行と検証の繰り返しが肝要です。作業を行う担当者の声を聞きながら、自社に合った施策で効率化を進めていきましょう。

この記事を書いた人

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株式会社SAL

ピボットCEO(しよー)のSAL編集部は、不確実性が高まる時代において、変革を目指す経営者を応援するメディアです。自社経験に基づくノウハウで、中小企業が変化しやすい組織づくりを支援する「remodooo!」を提供するSALが編集する、主に会社経営者向けのコラムサイトで、お役立ち記事を配信しています。