業務委託と派遣の違いとは|どっちがいいか適したシーンも解説
「業務委託と派遣の違いが良く分からない」という方も多いのではないでしょうか。業務委託と派遣は混同されがちな言葉ですが、両者は全くの別物です。
そこで今回の記事では、業務委託と派遣の違いやそれぞれ適したシーンを解説します。業務委託にしようか派遣にしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
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業務委託とは
業務委託とは、業務の一部を企業や個人に委託することです。委託者と受託者の関係が対等であることが特徴と言えます。社員や契約社員のような雇用契約を結んでいる場合、企業と労働者は主従関係にあるため、労働者は会社の指示に従います。
それに対して、業務委託契約を結んでいる場合、当事者双方の関係が対等であるため、受託者は委託者の指示に従う必要はありません。自己の責任と裁量に基づいて業務を遂行します。また、業務委託には、「請負契約」と「委任・準委任契約」の2つに大きく分けられます。
請負契約
請負契約とは、仕事の成果物に対して報酬を支払う契約です。請負契約として、会社やブランドのロゴ作成やオウンドメディアに掲載される記事制作などが挙げられます。
受託者は成果を約束しているため、万が一完成しなかった場合は報酬を得られないのが特徴です。成果物を納品したとしても、欠陥があれば修正や減額に応じる必要があります。
委任契約・準委任契約
委任契約・準委任契約とは、一定の業務遂行に対して報酬を支払う契約です。請負契約のように成果物によって報酬が発生するわけではありません。例えば、「10時から18時まで家電製品を一台以上売る」という契約を結ぶとします。
請負契約の場合、家電製品を一台以上売らなければ報酬は得られません。それに対して、委任契約の場合は、例え家電製品が一台以上売れなくても、10時から18時まで業務を遂行すれば報酬が得られるということです。
人材派遣とは
人材派遣とは、派遣会社と雇用関係にある人材を自社に派遣してもらい、業務を遂行してもらうサービスです。派遣社員と派遣先企業の間に雇用関係がありませんが、派遣先企業の指示に従います。また、給与の支払いや社会保険の手続き、有給休暇の付与などは派遣先企業ではなく、全て派遣会社が行う点も特徴です。
人材派遣には派遣期間に制限があり、一人の派遣社員が派遣先企業の同一部署で働けるのは原則3年までです。本人が継続を希望する場合でも、3年以上就業することはできません。これが人材派遣で3年ルールと呼ばれるものです。
ただし、派遣会社と派遣社員が無期雇用契約を交わしている場合は、この制限がなくなります。無期雇用契約とは人材派遣の一つで、他にも有期雇用派遣や紹介予定派遣があります。
業務委託と人材派遣の違い
業務委託と人材派遣の違いは、主に以下の3つが挙げられます。
- 目的の違い
- 指揮命令系統の違い
- 報酬が発生する対象の違い
下記では、それぞれの違いを詳しく解説します。
目的の違い
業務委託と人材派遣の違いとして、まず一つ目に「目的の違い」が挙げられます。業務委託は「委託した業務の納品や遂行」が目的であるのに対し、人材派遣は「労働力の確保」が目的です。
また、業務委託の場合、契約の種類によっては、成果物に対する責任が問えることも違いの一つです。
指揮命令系統の違い
業務委託は委託会社が労働者への指揮命令をするのに対して、人材派遣は自社が派遣社員に指揮命令をします。
業務委託の場合、成果物や業務の遂行に対して報酬が支払われるため、そこに至るまでの工程は委託会社に委ねられています。
自社が労働者へ指揮命令を行ってしまうと、偽装請負になる可能性があるため、注意が必要です。
業務委託と人材派遣のメリットの違い
業務委託と人材派遣のメリットは、以下の通りです。そのため、目的や予算に合わせて選ぶ必要があります。
業務委託のメリット | 人材派遣のメリット |
社内の業務負荷を軽減できる業務を標準化できる | 期間を定めて人材を確保できるさまざまな業務に対応できる |
下記では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
業務委託のメリット
業務委託のメリットは、「社内の業務負荷を軽減できること」「業務を標準化できること」の2つです。
社内の業務負荷を軽減できる
業務委託の一部または全てを外部企業に委託できるため、社内の業務負荷軽減につながります。これにより、社員の時間外労働の削減も期待できます。
業務を標準化できる
外部企業に自社の業務を委託する際、マニュアル作成やフローの改善などを行います。
マニュアルの作成やフローの改善によって、誰でも対応できるようになり、業務の標準化が可能です。
業務の属人化が課題となっている企業は多いので、業務を標準化できるのは大きなメリットの一つです。
人材派遣のメリット
人材派遣のメリットは、「期間を定めて人材を確保できること」「さまざまな業務に対応できること」の2つです。
期間を定めて人材を確保できる
人材派遣の場合、契約期間を設けて派遣社員を受け入れるため、必要な時に必要な人材を確保できます。
派遣を依頼してから実際に人材が派遣されるまでの期間が短いことも特徴の一つで、繁忙期以外に、突発的に業務量が増えてしまった時でも、柔軟な対応が可能です。多くの人材派遣では、研修などの人材育成にも注力しています。
そのため、依頼をしてから戦力になってもらえるまでの期間も非常に短いです。
さまざまな業務に対応できる
人材派遣会社によって異なりますが、事務処理やWEB関連業務、エンジニア業務などさまざまな業務に対応しています。
そのため、社内の従業員では対応できない専門性の高い人材を派遣してもらうことも可能です。
人材派遣会社の中には、特定の業務に特化しているところもあります。派遣社員を迎える目的や予算などを考慮した上で、人材派遣会社を選ぶことが大切です。
業務委託と人材派遣の適したシーンの違い
「業務委託と人材派遣、どちらが良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。下記では、業務委託と人材派遣の適した利用シーンの違いを詳しく解説します。
業務委託の適した利用シーン | 人材派遣の適した利用シーン |
社員をコア業務に集中させたい場合自社にノウハウがない場合 | 欠員を補充したい場合繁忙期の業務過多を無くしたい場合 |
業務委託に適したシーン
業務委託に適したシーンとして、「社員をコア業務に集中させたい場合」と「自社にノウハウがない場合」の2つが挙げられます。
社員をコア業務に集中させたい場合
コア業務とは、企業の利益や売上に直結する業務のことです。つまり、企業が存続するために不可欠な業務を指します。
反対に、企業の利益や売上に直結しない業務をノンコア業務と言います。具体的には、事務処理や資料作成などです。人材不足の場合、ノンコア業務に追われ、コア業務に集中できていないケースが多いです。業務委託を利用することで、従業員はコア業務に集中できるようになります。
自社にノウハウがない場合
専門性が高い業務など、自社にノウハウがない場合、専門知識を有している外部企業への業務委託が最適です。
自社の人材を育成する方法もありますが、どうしても時間がかかってしまいます。既にスキルやノウハウを持っている人材に対応してもらった方が、対応スピードも早く、クオリティも担保されます。
人材派遣に適したシーン
人材派遣に適したシーンとして、「欠員を補充したい場合」と「繁忙期の業務過多を無くしたい場合」の2つが挙げられます。
欠員を補充したい場合
従業員の急な退職や産休などで、欠員を補充したい場合に最適です。
欠員を補充するために、新規採用という方法もありますが、時間やコストがどうしてもかかってしまいます。人材派遣であれば、確実に人材を確保することが可能です。また、依頼してから派遣されるまでの期間も短く、従業員への負担も少なく済みます。
繁忙期の業務過多を無くしたい場合
繁忙期など業務量にムラがある場合、一時的な労働力の補充をしたい時に適しています。業務量が増えると、必然的に従業員の残業時間も増えるためです。
例え一時的に残業が増える場合でも、従業員への負担は大きいです。残業が離職の原因につながることもあります。そのため、企業は人材派遣を利用し、業務量を一定にすることが大切です。
業務委託か人材派遣で迷ったらメリットと利用シーンを比較しよう!
今回は、業務委託と人材派遣の違いやメリット、適した利用シーンを詳しく解説しました。
業務委託と人材派遣は、それぞれ異なるメリットがあるため、利用する目的を明確にした上で、決めることが大切です。
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